地域ナンバーワン企業に学ぶ
先週、ゼミ春合宿で琵琶湖の南東部に位置する滋賀県甲賀市のびわこホームさんを訪問しました。この会社の事業内容は建物・土地の販売です。実績はテレビでCMを放映している大手住宅メーカーが林立する中、甲賀市内の新築件数12年連続ナンバーワン、さらに昨年地域内で販売された土地の77%は当社によるものです。
この地域ナンバーワンの実績は、「私達は住生活感動業を通して人と地域(まち)の幸せを築きます。」という経営理念を徹底して実践していることに大きな因があると感じました。
以前、創業者である上田会長(当時社長)は『とにかく売れ、売れ!』と業績を上げることに集中していました。そんな中、3期連続の赤字決算で当社は倒産寸前の絶体絶命の状態に陥ります。社員さんの給料の支払いができず悩み苦しむ上田会長に『社員さんのために私の貯金を使ってください』と一人の社員が貯金通帳を差し出したのです。この時、上田会長の中で『社員さんを命がけで守り、幸せになって欲しいと念う』理念経営を実践する強烈な思いが芽生えたのです。
生きていくことは楽なことばかりではありませんが、企業経営は更に厳しいいばらの道です。資金繰りの苦労や、屈辱や苦悩の中で、もがき、苦しみ、のたうち回って得た哲学を経営理念として掲げる経営者は真に強く優しい方たちが多いようです。わが師坂本先生はこう仰っています『人のやさしさは、涙の量に比例する』と。今、戦っている経営者の方たちに明るい光が差し込みますように・・・。
春木清隆