中小企業の研究開発
4月1日、平成28年中小企業実態基本調査(平成27年度決算実績)速報が、経済産業省中小企業庁より発表されました。その中から、中小企業の研究開発に関する情報を共有します。
これらの情報から、研究開発を実施している企業の割合は、製造業4.9%・情報通信業5.0%と全業種平均の1.4%を大きく上回っています。さらに売上高研究開発費率は、製造業11.2%・情報通信業3.8%とこれまた他の業種を引き離しています。
この2業種の労働生産性は、他の業種と比べ格段に高い数値を示していることは、以前小欄でご紹介しました。
http://yaplog.jp/sakamoto/archive/7262
坂本先生は、「日本でいちばん大切にしたい会社」第 1 巻でこのように述べています。
「伊那食品工業の経営方針の3つ目は、『成長の種まきを怠らない』です。これは、研究開発とか未来投資経費のことです。
私がかつて『なぜ、こんなに長期にわたって安定的に成長ができるのですか?なぜ、伊那食品工業では、次から次に新商品ができるのですか?』と塚越会長にお聞きしたことがあります。
そのとき、塚越会長は、瞬時に、『会社を継続させるため、成長の種まきをしているからだと思います・・・・・』と答えてくれました。
研究開発の世界は、昔はよく『センミツ』と言っていました。『千個種をまいて、三つ芽が出てくればよいというのが新商品開発の世界』というわけです。(今は、そんなことをしていたらつぶれるでしょうから、『百3つ』かもしれませんが)。
しかし、種をまかなければ、可能性はゼロです。種を千まいて三つ芽が出れば、それでも0.3パーセントの可能性があるのですから、種をまき続けなければまらないのです。(中略)
塚越会長は、いつぞや私にはっきりとこう言いました。
『成長するのも利益を上げるのも、会社を継続させるためです。なぜ継続させるのかといえば、社員を幸せにするためです』
以上、ご参考まで。
今日も皆さまにとって素晴らしい一日になりますように。
春木清隆