素直な心で
今週は、創業50年と100年を超える企業の経営者お二人とお話しする機会がありました。お二人共、極めて私欲が少ない人でした。また、常にご自身が勉強されていらっしゃることも共通項でした。2社ともに、激動する内外の環境下で、積極果敢に新たな挑戦をし続け、社業を変化させ、長年にわたり好業績を出し続けています。
この経営者のお一人が、手帳に入れて常に読み返している文章を頂きましたので、ここに共有します。
一、禍(か)が福(ふく)か、福が禍か、人間の私心でわかるものではない。
長い目で見て、正義を守り、陰徳(いんとく)を積もう。
二、窮困(きゅうこん)に処(しょ)するほど快活にしよう。
窮すれば通ずる、又通ぜしめるのが、自然と人生の真理であり教(おしえ)である。
三、乱世ほど余裕が大切である。余裕は心を養うより生ずる。
風雅も却(かえ)ってこの処に存(そん)する。
四、世俗の交(まじわり)は心を傷(いた)めることが少くない。
良き師友を得て、*素心(そしん)の交を心がけよう。
五、世事(せじ)に忙しい間にも、寸暇を偸(ぬす)んで、書を読み道を学び、心胸(しんきょう)を開拓しよう。
六、租国と同胞の為に相共(あいとも)に感激を以(もっ)て微力(びりょく)を尽そう。
*素心…利害や意見や年齢や地位身分など、そういう様々な世間の着色に染まぬ生地のままの純真な心を素心という。
作者:安岡正篤
以上、ご参考まで。
今日も皆さまにとって素晴らしい一日になりますように。
春木清隆