近江の会社
滋賀が「近江県」に?県名変更が話題になっている滋賀県。その滋賀県に本社のある春合宿で訪問した、たねやをご紹介します。
たねやは江戸時代に材木商で起業しその後、農作物の種子販売業(たね屋)に転身。明治時代に入り和菓子屋になり、その後も菓子屋として変化をし続け、現在は10代目山本昌仁氏が代表を担っています。全国の有名百貨店に和洋菓子の専門店を出店し、その中核をなす店舗となっています。グループ正社員は941名、売上高は堅実な成長をし続け201億円(2013年1月期)です。
当社を視察して感じたキーワードは『変化への挑戦』と『商人道』の重要性です。
『変化への挑戦』は
滋賀県近江八幡市の日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)に隣接する和菓子の「日牟禮ヴィレッジたねや」と、洋菓子の「クラブハリエ 日牟禮館」を訪問し痛感しました。日曜日ということもありますが、どちらの売り場も人、人、人でごった返しています。お目当ての焼き立てバームクーヘンは売り切れです。駐車場の車は私たちのような大型バスか他府県ナンバーが過半でした。
材木商から種子販売業、そして和菓子店と変化に適合して進化し続けてきた同社が、洋菓子店作りに挑戦。主力商品は、少し前までは見向きもされなかったバームクーヘン。その素材を吟味し、味を極め、焼きたてを提供することで行列を作り、売り切れ必至の超人気商品をうみ出し、超人気店に育てあげています。その圧巻の現場を五感で感じてきました。
『商人道』は
『他人さまには幸せを、そして自らには厳しい鞭を。ここに商人としての真の道がある』で始まり『心して守り、確かな足どりを以って歩み続ける事を誓わん』で終わる同社の経営方針に掲げられている道を徹底して歩んでいることでした。
http://taneya.jp/group/company/plan.html
現場で働く人たちからは、コツコツと実直に仕事に向かう印象を受けました。また当日、説明をして下さった小玉恵支配人は『当社では売上予算はありますが、数字でとがめられたことはありません。しかし、不義理をしたら徹底して言われます』と仰っていました。
欧米発の様々な経営手法が流行り、政府も自己資本利益率(ROE)を成長戦略の重要な指標として取り上げる昨今。その風潮に流されることなく、したたかに『商人道』という心を基盤に『変化に挑戦』し続ける当社に、会社存続の原点を再確認させて頂きました。
今日一日、みなさまにとって、素晴らしい日になりますように・・・。
春木清隆