偉人を訪ねて
偉人を訪ねて
■今週は京都でスポットの仕事があったので、
以前から行きたかった稲盛和夫ライブラリーを
事前予約し、見学してきました。
京都市伏見区の京セラ本社に隣接するライブ
ラリーは、1階から5階まで展示フロアがあり、
1932年鹿児島で生を受けてから90年の氏の
生涯をたどることができます。
■ご存じの方も多いと思いますが、
稲盛和夫氏は、京セラの創業者ですが、
KDDIの創業者でもあります。
また、2010年には会社更生法を適用された
JAL(日本航空)会長に無報酬で就任し、
1年後に過去最高の1,800億円の営業利益を上げ
申請からわずか2年8カ月という、最短の記録で
日本航空を再上場させた人です。
■ライブラリーの5階は稲盛氏の執務室です。
この部屋に入った途端、涙がこぼれてきました。
かつて、鹿児島の知覧特攻平和会館に行ったとき
と同じく、理由のわからない涙です。
執務室は、「敬天愛人」などの書額が飾られ
執務机には直筆の講演原稿や、筆記用具がおかれ
シンプルで機能的な部屋と机から、氏の几帳面さ
を感じとれました。
■稲盛氏の前半生は、決して恵まれたものでは
ありませんでした。
それは、12歳の時にかかった結核の闘病生活。
鹿児島一中(当時のエリートコース)の受験に
2度失敗。
大学受験でも第一志望に不合格となり、
地元の鹿児島大学に進学。
■就職活動も地方大学出身であることが不利となり、
希望していた石油産業への就職が叶わず、
大学の恩師の紹介で京都の松風工業に就職。
入社した会社の経営状態は極めて悪く、
労働争議が頻発しており、給与も遅配・・・。
このような逆境とも言える前半生から、
実業の世界で、先にご紹介したような世界的な
偉業を成し遂げた人です。
■さらに稲盛氏個人が、取り組んだ社会活動の
一部をご紹介します。
人材育成分野
・盛和塾
・鹿児島大学 稲盛アカデミー
・稲盛京セラ西部開発奨学基金の設立
学術・研究支援
・京都大学「稲盛財団記念館」
・九州大学「稲盛財団記念館」
・鹿児島大学「稲盛会館」
社会活動
・京都大和(だいわ)の家
・日米リーダーシップ会議を開催
・日米21世紀委員会
地域活動
・ジャパニーズ・フレンドシップ・ガーデン
・釈迦十大弟子像
・円福寺本堂および庫裏改築
これらの活動に私財を投じ、激務を極める時間を
割いて、多岐にわたる社会活動を実践していた
ことを改めて知り、
同じ日本人として、同時代に生きていたことを
感謝するとともに、わずかでも、氏を見習おうと
心を新たにした次第です。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「素直な心」「熱意」「努力」といった言葉は、
あまりにもプリミティブなために、誰も気に
留めない。しかし、そういう単純な原理こそが
人生を決めていくポイントなのだ。
稲盛和夫(経営者1932~2022年)
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