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M&Aについて考える

M&Aについて考える



■今週の日曜日(12/8)、毎年恒例の地元
マラソン大会に参加しました。


初参加から20年を超えるイベントですが、
今回は、とても清々しい晴天に恵まれました。




■途中、長く続く、田んぼ脇の一本道。
折り返しを過ぎた俊足ランナーたちが、
田んぼの向こう側を疾走しています。


その様子を見ている時にこう思いました。
グーグルマップのストリートビューの
人のカタチをしたアイコンみたいに
ピョーンと田んぼの向こうに行きたいと…。


そんなショートカットは、あり得るわけもなく、
終了後の冷たいビールを想像しながらゴール
しました。


そして、ゴールそばの400mトラック中央の
天然芝にデーンと大の字になって
青く澄み渡る空をみていると、ちょっとした
プロジェクトを成し遂げた時のような達成感と
至福感に満たされた日曜日でした。





■走っている時、ショートカットしたいという
気持ちと書きましたが、経営において、M&A
(買う方)はある種のショートカットだと
思っています。


しかし、その成功率の体感は10%未満です。


実際、筆者のつとめた事業会社2社で、
経営悪化の主要因は、M&Aの失敗によるもの
でしたし、


一次情報として見聞きするM&A事案から、
M&A(買う方)の成功事例は極めて少ない
ものと認識しています。





■どうして成功例が少ないかを端的に表現すると、


買い手が、買った後の理想の状態にとらわれ過ぎる
からです。


買い手が想像すべきは、買った後の最悪の状態です。


それを前提にデューデリジェンス(Due Diligence)、
すなわち、買収対象企業の詳細な調査・分析を行う
ことが肝要です。





■日本語では「買収監査」とも呼ばれる
デューデリジェンスですが、筆者が直接、見聞き
する範囲では、会計士さんなどが買収対象会社の
財務面と法務面を表層的になぞって終了。
が中小企業においては一般的です。


失敗しないM&Aのためには、
真に買い手の立場になって、業務運営面や
非財務情報といわれる中の、とりわけ、
人とオペレーションの実態を厳しい基準で
精査することが必須です。


実際、M&A(買う方)失敗事例の主要因は
人と運営面によるものがほとんどです。





■M&Aによって会社を着実に成長させている
会社に日本電産があります。


日本電産の成功要因は、メディアなどで数多く
取り上げられていますが、私たち中小企業が
見習うべき点をフィルタリングすると



1,「永守流」といわれる経営手法を有している
「スグやる、必ずやる、できるまでやる」という
強烈な経営思想で本業に取り組み、確かな実績を
残している。経営に対する確かな柱がある


2,時間と労力をかける
買収先を選定した後、買収完了まで5~10年の
期間をかける場合もあり、注意深く見定め、
高値買いしない


3,買収後の統合に力点をおく
買収後の統合に買収の90%以上の重点を置く。
日本電産から1名のみを派遣し、買収先の
経営者のリーダーシップを活用する



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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近道は往々にして最も危険な道となる
J・R・R・トールキン(作家 1892~1973年)
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