店は客のためにあり
店は客のためにあり
■8月17日(土)、台風一過で、
うだるような暑さでしたが、16時から
WEB面談があり、その後も予定が入って
いたので、14時過ぎから走りに出ました。
途中、厳しい環境の垂直面に咲く朝顔と
鉄砲百合のあざやかさに、心をいやされました。
■走り終わって、経口補水液(ポカリスエット)
を自宅近くのコンビニに買いにいきました。
このコンビニは、数年前に40代のご夫婦が
オーナーで開店されましたが、数ヶ月前から
オーナーが変わりました。
以前のお店は、ご主人が常にお店に出られていて
私たち近所の人たちに、気さくに声をかけられ
繁盛していましたが、ご主人の顔色が年々よく
なくなり、大変だな~、人手不足で苦労されて
いるんだな~、と思っていました。
■先週、このコンビニの店内に入ると、
働いていたのは外国人男性が一人でした。
2台のレジのうち、1台はセルフレジに
なっていました。
また、品揃えは、以前はお酒やお総菜など
見ても楽しいものがありましたが、全体的に
種類も少なく、さびしい感じでした。
家に帰り、家族にその話をすると、
オーナーが変わってからのお店は、
以前のような活気がなく、売上は
相当減っているのではないかと話していました。
■人手不足や省力化で、このコンビニのように
セルフレジを導入している店が増え、飲食店でも
タッチパネルを使う機会が増えてきました。
先日も都内の回転すし店に入りましたが、
お会計も含めて、店員さんと会話することは
一度もなく、店を出たときに、食事を楽しんだ
という感覚はゼロで、家畜のようにエサを摂った、
というとてもムナシイ気持ちになりました。
そのチェーン店は余程のことがないかぎり、
もう利用することはないと決めています。
■構造的に長期化する人手不足などへの対応で、
あらゆる業種で、上記のような無機的な状況が
増えていくと推測しますが、私たち中小企業経営
にたずさわる者にとっては、チャンス!と捉え、
企業発展の源としたいものです。
その方策は、極めて単純で
「お客さまが望むものを提供しつづけること」
です。
そして、その提供の最先端を担ってくれている
「社員さんはじめ、働いてくれている人たちを
大切にすること」です。
「なぁーんだ、そんなこと知ってるし、
やっているよ」という方は、成果を出し続け、
業績が上がり続けている経営者です。
しかし、業績をさらに上げたい、
もっといい会社にしたいと思う経営者は、
今より、1~2桁レベルを上げた真剣さで
高みを目指していきたいものです。
■神奈川県川崎市に日本理化学工業という会社が
あります。
「日本で一番大切にしたい会社」大賞はじめ
「しあわせ職場賞」など多くの団体から顕彰を
受け、テレビなどでも再三取り上げられている
会社ですので、ご存じの方も多いと思います。
この会社の一番の特色は、障がい者雇用率が
70%であることです。
現在、従業員数43.5人以上の会社は、
従業員数の2.3%以上の障がい者雇用を
法律で義務づけられています。
法律義務ですから、守らなければ、不足する
障がい者数一人当たり5万円のお金を払う
罰則が適用されます。
まことに残念なことに、わが国の大企業の多くが、
見て見ぬふりをして罰則金を支払い続けているのが
現状です。
■以前、訪問させていただいた日本理化学工業の
敷地内に「働く幸せ」と題した碑があります。
そこには次のような一文が刻まれています。
「導師は人間の究極の幸せは、人に愛されること、
人にほめられること、人の役に立つこと、
人から必要とされること、の四つと云われた。
働くことによって愛以外の三つの幸せは得られる
のだ。私はその愛までも得られると思う」
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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店は客のためにあり
店員とともに栄え
店主とともに滅びる
倉本長治(経営評論家 1899~1982年)
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