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六然(りくぜん)

六然(りくぜん)



■パリ五輪がおわりました。
今回も、五輪のようすを観戦することなく
朝支度をするときにつけているテレビの
ニュースで、その内容を知る程度でした。


気になって調べてみると、今回参加した日本人
選手は410名で、メダル獲得数は45個でした。


一人で複数のメダルを獲得している人もいますが、
単純に、410名-45個=365名。


約365人の選手がメダルを獲得できなかった
ことになります。関わられた方々はじめ、
すべての関係者にねぎらいの意を表します。


今回は、これらのことから感じたことを共有
します。





■今回の五輪に参加した選手の約10パーセントが
メダルを獲得したことになります。


私たちの人生や仕事、経営を考えた場合、
メダルを獲得できなかった90%の選手たち
から学ぶべき点もあるようにかんじます。


中国の明時代の哲学者 崔銑(さいせん)が
説いた教えに「六然訓」があります。
日本でも六然(りくぜん)として多くの
著名人に影響をあたえている考え方です。





■<六然>

自處超然(じしょちょうぜん)
自分自身に関しては何事にも執着せず、
淡々とした態度を心がける


處人藹然(しょじんあいぜん)
人に対しては、相手の気持ちが、やわらぎ
穏やかになるよう接する


有事斬然(ゆうじざんぜん)
事が起こったときは、ぐずぐずせず
一気呵成にテキパキと対処する


無事澄然(ぶじちょうぜん)
問題がないときは、静かな湖面のように
澄んだ心でいる


得意澹然(とくいたんぜん)
うまくいっているときは、淡々とし、
穏やかで、謙虚な態度でいる


失意泰然(しついたいぜん)
失意のときこそ、うろたえずにゆったりと
落ち着いている



上記、六然は、目指すべき理想ではありますが、
聖人君子ではないため、実際に行うのは難しい
ことです。

それでも、思い出せたときには、なんとか
近づけるように心がけています。





■このような考え方に出会い、少しでも身につけ
ようと思うのは、人生の絶頂期や好長期ではなく、


やれども、やれども、結果がでない時や、
どうして自分だけが・・・と思っている
厳しい時期が多いような気がします。


そのような状況の時に、六然のような
ことばに出会い、



傲慢で幼稚な自分に気づかされ、
周囲にむけていた結果の不出来の原因を、
少しだけ自分にむけることで、
気持ちがずいぶんと軽くなる・・・


古くから伝わる言葉には、
このような力があり、
有り難くかんじています。





■人が生きていく指針としてのひとつが六然だと
すると、企業経営においてのそれは、経営理念に
なります。


経営理念はご存知のように、その会社の存在意義
であり、目的です。


あらゆる状況において、まよったら経営理念に
立ち返り、その目的(なんのために)を確認する
ことが有効です。


日常において、勝ち負けや、目標達成、損益に
注意が向きがちですが、目標達成は目的遂行の
手段に過ぎません。


先程の六然ではありませんが、欲得に惑わされず、
目的を見失わずに、ことを進めていきたいものです。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。


日々是新 春木清隆


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つねによい目的を見失わずに努力を続ける限り、
最後には必ず救われる
ゲーテ(詩人 1749~1832年)
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