愛は、会社も育む
愛は、会社も育む
■今月12日(日)、関係している会社の
創立30周年式典があり、愛媛県松山市へ
日帰りで行ってまいりました。
当日、30周年を祝うと共に、創業者である
お母さまからご長女へ、社長のバトンが渡され
ました。
四国各県はもとより、首都圏ほか、各地から
参加された社員さんたちの笑顔が印象的でした。
会長となった創業者は、今後、海外展開ふくめ
該社のさらなる発展に、より高い視座から貢献
されていかれます。
■多くの会社の事業継承に立ち会っていますが、
企業ごとに心を打たれる思いがあります。
この会社の場合、今回の事業継承に至ったのは、
創業以来、家族を中心とした「愛」に満ちあふれ
ていることが、その大きな要素の一つであると感
じています。
創業者であるお母さまと3姉妹。
わけても、4人の女性たちを大きく包み込む
お父さまは、扇の要のような存在です。
■そのお父さま(以下K氏)は、該社の経営に
携わるほか、ご自身の会社経営もなさっています。
K氏の言動をみていると、日本映画の
『鉄道員(ぽっぽや)』
『遙かなる山の呼び声』
『あなたへ』
などで、高倉健が演じた主人公たちと共通する
以下の特性を感じます。
<男らしさと気概>
正義感が強く、弱者を守ろうとする基本姿勢。
困難な状況下でも決して諦めず、最後まで立ち
向かう強い精神力。
<温厚・几帳面で真面目>
仕事に対する姿勢は真剣で、強い責任感。
しかし、時に融通が利かず、頑固な一面。
<家族思い>
家族を守ることが最優先事項。
妻や子供への愛情が深く、家族のためならば
命をも捨てる覚悟。
■K氏は、いわゆる
『肝(はら)の座った人』なのですが、
筆者の経験から、
『肝(はら)の座った人』になる方法は、
書物や机上からではなく、実践をつうじて
徐々に醸成されていくものと思っています。
すなわち、多くの苦労困難を真正面から受け止め、
常に定まった、ぶれない正しい心を保持しようと、
沈着冷静に正しい判断を模索し続けた人が
『肝(はら)の座った人』に近づいていくのでは
ないでしょうか。
■清朝末期の軍人で、政治家でもあった曽国藩が
「四耐四不訣(したいしふけつ)」という言葉を
残しています。
四耐とは
耐冷(れいにたえ)
孤独や周囲の冷たさに耐えること
耐苦(くにたえ)
辛い状況や苦しみに耐えること
耐煩(はんにたえ)
面倒や煩わしさに耐えること
耐閑(かんにたえ)
閑散とした環境や退屈に耐えること
四不とは
不激(げきせず)
怒りに駆られず、激しい感情を抑えること
不躁(さわがず)
浮ついた気持ちにならず、落ち着きを保つこと
不競(きそわず)
他人と競争心を持たず、謙虚でいること
不随(したがわず)
流行に流されず、自分の信念を貫くこと
つまり、『四耐四不訣』とは、困難に耐え抜き、
感情を穏やかに保ち、謙虚で信念を貫くことが、
事を成すために必要な心構えであると説いた言葉
です。
以上、K氏のようすから古典の『四耐四不訣』を
思い出した次第です。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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父親が子どものためにできる
もっとも大切なこととは、母親を愛することだ。
ヘンリー・ウォード・ビーチャー(牧師 1813️~1887)
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