「過去の成功」を手放す経営
「過去の成功」を手放す経営
■2月ながら、いつものジョギングコースを
走っていて、タンポポやホトケノザなど
路傍の花に春の訪れを感じています。
■2月23日の日経新聞の一面の見出しは、
『日経平均 最高値』
と、白抜き2段組の超弩級扱いでした。
同じく1面の解説記事のタイトルは
『もはや「バブル後」ではない』
と、この現象は一過性のものではなく、
長期的な傾向の可能性があることを
示唆していました。
■どうやら時代の潮流は、流れの方向を大きく
転換しているようです。
『インフレを考える』と題して、
インフレ環境における経営の打ち手3つを
本欄で情報共有させていただいたのは、
2022年5月4日。
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-305.html
さらに、『激動に備えて』と題して、
“円安”と“インフレ”について解説し、
長期的視点で現状を俯瞰し、コメントさせて
いただいたのは、2022年10月27日。
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-331.html
■いずれも、長い期間にわたって続いてきた
ベクトルの方向性が、大きく変わることを示唆した
内容でした。
経営は環境適応業ともいわれていますが、
このような外的環境の変化を敏感に捉え、
会社自体を適切に変化せしめることが、
私たちの役割の一つです。
■「アンラーン(unlearn)」という言葉を
ご存じの方も多いと思います。
「アンラーン」とは、すでに持っている知識や
価値観などを破棄することで、思考をリセット
させる学習方法です。
過去を振り返ると、日清戦争・日露戦争で勝利
した日本軍が、勝利した体験や価値観に囚われ、
軍部が拡張主義的な政策を推進し、外交交渉や
軍事作戦においてアンラーンを行わずに固執
しました。
その結果、太平洋戦争への参戦や戦争の敗北を
招くこととなりました。
経営のケースですと、フィルムカメラの分野で
世界一と、圧倒的な存在感を持っていたコダック
社は、デジタルカメラの台頭に対してアンラーン
を行わず、古い技術に固執したことで、売上が
急速に減少し、最終的に、経営破綻しました。
いずれの場合も、過去の成功体験が、
時代の変化への対応を誤らせた結果です。
■会社が環境変化に対応するためには、
経営者はじめ、幹部のアンラーンが必須です。
以下、経営者・幹部が、意識して行うアンラーン
の方法を共有します。
1,居心地の良くない環境で一定期間以上を過ごす
日常、経営者・幹部をとがめる人は多く
ありません。
そうすると、どうしても、過去の思考法や
習慣に流されがちです。
自分の年齢や立場などが厚遇されない場、
例えば、新たな習い事を始める、(異国への)
ひとり旅、地域の活動などに参加するなど
がその具体例です。
誰も伴わずに、一人で行うことが肝心です。
2,振り返る
私たちは神さまでないので、日々、思考や言動の
過不足が生じています。
これを振り返ることです。例えば日記を書く、
誰かにフィードバックをもらう、瞑想をするなど
は、即効性は期待できませんが、確実な成果が
期待できます。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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古いものにしがみつくことをやめれば、
新しいものが入ってくる。
ディーパック・チョプラ(医学者 1946年~)
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