人を育てるということ
人を育てるということ
■先週、顧問先の、役員による期首目標設定会議
に参加しました。
目標設定会議とは、人事考課制度の一環で、
期首に部下が記入した目標設定をベースに
直属上司と斜め上の上司たちが、目標の妥当性に
ついて検討するものです。
■2015年からかかわっているこの会社。
コロナ禍中も順調に業績を伸ばしています。
今回の会議に参加し、社長以下、役員が真剣かつ
丁寧に、部次長の目標設定を話し合っている様子
を観て、
『当社は膨張ではなく、着実な成長を
遂げていることを確認しました。』
と最後にコメントしました。
■この会社の人事考課制度は、専門家が作った
ものですが、2017年に上手く機能していない。
というご相談を受けて、制度を精査し、運用
方法を見直した経緯があります。
その際にお伝えした概要は
1,どんな制度にも目的がある
2,人事考課制度の目的は『人の成長』~『会社の成長』
3,目的達成のために、運用が大切
4,制度という道具に運用で『魂』を入れる
5,運用の主役は被考課者で、考課者(上司)は支援者、です。
要は、高いお金を払って制度を導入しても、
今までの課題は解決しません。
どんな(良いと言われる・高い)制度やシステム
もその運用(手間ヒマをかける)が大切です。
■【人を育てる】という立場の
経営者や管理者から、以下のコメントを
聞くことがあります。
『いくら言っても改善しない』
『仕事に対する真剣味が足りない』
『約束を守らない』
このような方からお話をうかがうと、多くの場合、
『お前はコレをやれ!』と指示だけ出して部下を
動かそうとしています。
■一方、うまく行っているリーダーの働きかたを
観ると、その特性によって多様ですが、整理する
と以下の5点に集約されます。
1, 部下が仕事の目的を理解している
2, 仕事のやり方について部下が理解している
3, やり方をリーダーが示している
4, コミュニケーションを重視し、定期的な対話がなされている
5,目標達成にむけ、共に協働している
■先の上司は、『やれ、やれ』と言うだけ
次の上司は、『一緒にやろう』と行動する
どちらの上司と一緒に働きたいか、
どちらの上司の部下が成長するか、
は自明の理です。
これら二人の管理者から、この世の中も
ビジネスも【原理】が機能していることに
気づきます。
これらは心理学で『返報性の原理』といわれ
多くの事例が確認できます。
■経営のソロバンの観点で人財育成を考えてみます。
一般的にサラリーマンの生涯年収は2~3億円と
いわれています。
(本文では間をとって2.5億円とします)
という事は、新卒一人採用することは
長期的視点でみると、2.5億円の投資を
行うことと同じことになります。
労働分配率を50%とすると、新卒が生涯稼ぐ
粗利益は最低でも5億円になります。
新卒が稼ぎ出す粗利益を5億円にするのか
50億円にするのか500億円以上にするのか
それらに大きく影響するのが人財育成です。
冒頭でご紹介した会社は、社長が誰よりも
真剣に、丁寧に、手間ヒマを惜しまず人と向き
合っている後ろ姿が、組織全体に浸透して
いっているのでしょう。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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教えることのできない子供というものはない。
あるのは子供たちにうまく教えられない学校と
教師だけである。
アルフレッド・アドラー(心理学者 1870~1937年)
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