「ありがとう」の効能
「ありがとう」の効能
■今週の日曜日は、犬との散歩以外は家の中で
ソファーに寝転がり、ゆっくりと過ごしていま
した。
根が貧乏性なのか、ジッとしていることは少ない
のですが、年に何度かこのような日があります。
以前、このように何もしない休日の夕方は、軽い
自己嫌悪を感じていましたが、最近は良い休息が
できたと思っています。
■日本商工会議所が今年の9月に
「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に
関する調査」の結果を発表しました。
https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1201053
調査地域は、全国47都道府県で
調査対象は、中小企業 6,013社です。
■その結果概要は
・人手が「不足している」との回答が7割近く(68.0%)で過去最大
・そのうちの6割以上(64.1%)が「非常に深刻」と「深刻」
・非常に深刻は、人手不足を理由とした廃業等、今後の事業継続に不安がある状態
・深刻は、事業運営に支障が生じている状態
・人手が「不足している」との回答は、高い順に
介護・看護業(86.0%)、
建設業(82.3%)、
宿泊・飲食業(79.4%)で約8割となり、
最も低い製造業でも6割近い(58.8%)
・対策として上位3つが
正社員の採用活動強化 68.5%
パートタイマーなど有期雇用社員の採用活動強化 34.0%
業務プロセスの見直しによる業務効率化 33.2%
と人手不足の状況の深刻さがわかります。
■ちなみに昨年(2022年)に生まれた人は
79万人です。
これを80万人とみなし、日本の国内企業を
300万社とすると
80万人÷300万社≒0.27人となります。
経営において、この環境変化を、コロナ禍で話題
となった血中酸素飽和度に置き換えて表現すると
レベル1 96-100% :正常値
レベル2 94-95% :息切れを自覚、要注意
レベル3 90-93% :酸素投与が必要、入院を検討
レベル4 89%以下:危険水準
上記の調査結果から、現在、多くの企業は
レベル2~3の状態(一部レベル4)と推測
します。
さらに、これから働き手の減少という環境変化を
考えると、現状対応のまま、あるいは、打ち手を
間違うと、レベル4の危険水準に陥ることになり
ます。
すなわち、これからの時代は、働き手を集める
ことができない企業、離職率の高い(10%以上)
の企業は、いかに良い商品や市場があっても存続
できない時代になるといえます。
■そこで、本欄では筆者が日頃、提唱している
「人手不足時代の5つの打ち手」
について共有します。それは以下の5つです。
1,既存人員の生産性向上
2,業務の見直しによる生産性向上
3,F・E・D(女性・高齢者・障がい者)人財の活用
4,求めるスペックの人財を自社で育成
5,労働条件の改善(給与・時間・環境など)
これらの打ち手は、比較的経費もかからず、
着手しやすい順に表記しています。
■今回は「人手不足時代の5つの打ち手」の中から
<既存人員の生産性向上>について共有します。
<既存人員の生産性向上>のための打ち手は
・柔軟な労働条件の導入
・教育とスキル開発が有効ですが
筆者の経験から、一番単純で、効果があるのは
感謝を伝え合うことです。
これは、私たちが、ラーメン屋さんのカウンター
に座り、店主が厳しい言動でスタッフに接している
お店と、店主はじめスタッフ同士が
「ありがとうございます。」と言い合っているお店を
想像すると分かりやすいと思います。
どちらのお店が、スタッフがイキイキと働き、
繁盛するかは明らかです。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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「ありがとう」。
言う方は何気なくても言われた方はうれしい。
「ありがとう」をもっと素直に言い合おう
松下幸之助(日本の実業家/1894~1989年)
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