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利益配分を考える

利益配分を考える


■先週は、札幌でスポットの仕事をしました。
例によって、寄り道なしの点と点の出張でしたが、
見事に色づいた街路樹を見て、ぜい沢な気持ちを
味わいました。忙中閑あり・・・。






■同じく先週、地方都市の顧問先での情報です。
10月1日(日)に感謝祭と称したイベントを
開催し、約4,000人の来場者があったと聞き
ました。


10時から16時、入場無料で行われたこの
イベントでは、テレビでおなじみのキャラ
クターのショーやビンゴ大会、各種飲食や
地元農産物など50店以上が出店。


子どもたちから、お年寄りまで楽しめる盛り
だくさんの内容で、当日の様子を教えてくれた
社員さんの表情はとても誇らしげでした。





■今回は、会社の利益配分について情報共有
します。


ご存知のように、損益計算書では、5つの利益が
表記されています。(下表)


利益配分というと、株主配当を想像しますが、
それは下表の右端、当期純利益から支払われます。


また、中小企業では決算月が近づき、節税対策の
ために、何かに投資すべきか検討される状況が
散見されます。


このような事例から、多くの中小企業では
計画的投資(利益配分)を行えていないと
思料します。




■本欄で利益配分の源泉とするのは、
上表、利益の1番左にある売上総利益です。


一般的に利益と認識されているのは、
売上総利益から販管費を引いた営業利益ですが、
売上総利益の配分の仕方が、企業発展の成否の
鍵となります。


なぜなら、売上総利益から支払われる販管費の
中には、

・人件費
・教育研修費
・研究開発費
・広告宣伝費
・販売促進費...

などがあるからです。




■今回、改めてこのようにわかり切ったことを
書いているのは、多くの会社において、販管費の
使い方が、前例踏襲型で、前年までと同じような
惰性に陥っているからです。


大企業はもとより、永く発展し続けている
中小企業においては、販管費を明確な意志を
持って、計画的に、未来への投資として扱って
います。




■先に上げた感謝祭で約4,000人の地元の
人たちに楽しんでもらった顧問先は、
創業から50年以上成長し続けています。


この会社では、お金のない創業の頃は、創業者で
ある現会長の自宅で、働いている人たちや、
取引先などに、奥さまの手料理を振る舞っていた
と聞いています。


そして、企業規模の拡大に応じて、その状況に
応じた販管費の投資を堅実、かつ着実に実施して
いることが、成長持続の主要因です。





■下のグラフは、研究開発費が売上高に占める
割合が0%、0%超2.5%未満、2.5%以上の
3区分に分類し、営業利益率の推移を表した
ものです。


これを見ると、売上高に占める研究開発費の
割合が高いほど、営業利益率も高水準にあり、
研究開発活動と営業利益率には明確な相関が
あることが確認できます。





■以上のことから、私たち中小企業において、
会社成長のための利益配分のやり方として、


新規事業年度計画を立案する際に、販管費を
ゼロベースで設定します。


そして、お客さま・社員さん・取引先・近隣地域
など、多面的な角度で、中長期の視点から検討
することも一法です。



以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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(企業にとって)利益は目的ではなく、
社会貢献を続けるための原資。
利益とは、企業存続の条件。

ピーター・ドラッカー
(経営学者 1909〜2005年)
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