既存資源を活用する
既存資源を活用する
■今週の日曜日(10/29)、友人と
「しまだ大井川マラソン」
10kmの部に参加しました。
高く晴れ上がった秋空の下、爽やかな空気の中で
いい汗をかくことができました。
自分がゴールした後、ゴールされる人たちを
見ていて、一所懸命にやり切った人の達成感や
満足感が伝わってきて、自分の気持もさらに
高揚しました。
■今回は、前回に引き続きセブン・イレブン
(以下セブン)の経営で自社の参考になりそうな
点と中小企業の製造業の事例を共有します。
筆者が新卒で入社した一部上場企業が、倒産に
至った要因は、性急な出店と、稚拙なM&Aに
よるものでした。
一方、セブンの成功要因は、前回ご紹介した
ように、原理原則を守り出店をガマンしたこと。
そして、今回テーマとして取り上げる既存資産
(店舗)を最大限に活用していることにあります。
■既存資産(店舗)の最大活用とは、成長の主眼
を既存店舗の売上向上として取り組むことです。
下表は、セブンが既存店舗の売上向上のために
取り組んだ主な施策です。
セブンでは既存店の売上向上策として、これらに
加え、毎週、新商品の投入がなされています。
■私たち中小企業がセブンから学ぶ点は、
既存の資産を改めて見直し、その最大活用を
模索し、実現することです。
全業種で優先して取り組む対象は、自社の提供
する主たる商品やサービスの徹底した品質向上
です。
その上で、飲食店ですと、お持ち帰りや配達ができ
ないかなどを検討すること。
農業であれば、生産物を加工して付加価値を高め
提供できないかなどを検討すること。
製造業であれば、現有技術で新たな顧客や製品が
開発できないかなどを検討することなどです。
■最後に、私たちと同じ中小企業が、既存技術を
活用して、従来の日常品から美術品などへ製品
開発し、顧客を企業から消費者へ転換した事例と
して、富山県高岡市の金属加工会社をご紹介します。
https://www.nousaku.co.jp/
ある年の暑い夏、日本海に面する富山県高岡市の
工業団地の中にあるこの会社を訪れました。
工場団地の中はかつて扱っていた仕事の殆どが
海外にシフトし、ゴーストタウンのような状態
でした。
以前、この会社は周辺にあった工場同様、
問屋の注文に応じて仏具・茶道具・花器等を
生産していました。
1985年、現在の会長が、結婚と同時に義父の
経営するこの会社に入り、職人の道に入ります。
鋳物の製作現場で17年間修業を積んだのち、
2003年、社長に就任。
その後、彼は、それまで仏具などを問屋から受注
していたスタイルから、既存の技術を活かし、
インテリアなどの新たな分野の商品開発を始め、
自社直販体制を作るなど、新機軸を次々に打ち
出しました。
現在、この会社の直営店は国内有名百貨店にあり、
海外でもブランド品の扱いで販売されています。
訪問した際に現会長が語った言葉は
『私は「できない、無理です、嫌だ」
とは言わない。たとえできなくても、
代替案を出す。そして他人の真似をしない。』
『「あなたの会社はブランディングがうまい」
と言われるのですが、私たちはお客様が
喜ぶものづくりを目指してきただけで、
ブランディングをしようとしたことは
一度もありません。
日ごろのものづくりをきちんと行い、
人さまを大事にする、という当たり前の
ことをやってきただけです』と。
ちなみに、訪問時、社長だった能作氏は
毎朝6時に出社し、23時過ぎまで仕事を
することが日常でした。
以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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足下を掘れ、そこに泉あり
ニーチェ(ドイツの思想家 1844~1900年)
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