原理原則を確認してみる
原理原則を確認してみる
■先週、関係している会社の投資事案で沖縄に
行ってきました。
那覇市内は、国内外の観光客で溢れており、
タクシーの運転手さんに話を聞くと、コロナ前に
戻りました。と話していました。
また、市内各地では、新しいホテルなどが数多く
建設中で、他の県庁所在地に比べ、非常に活気が
あると感じました。
朝、ジョギング中の那覇市明治橋から
■沖縄というと、コンビニ各社の出店戦略の
違いが明確にあらわれた地域です。
2019年7月セブン・イレブン(以下セブン)は
沖縄に初出店しました。
ライバルのローソンは1997年に既に進出して
おり、ファミマも2019年時点で、300店以上の
店舗がありました。
■ではなぜ、セブンがライバルから20年以上
後に、沖縄に出店したのか?
それは、原理原則を徹底したからです。
原理原則を徹底した結果が下表、2023年2月度
コンビニ大手各社の営業概況です。
顕著な差となっているのは、黄色い網かけを
している部分の日商です。
セブンの67万円に対し、他の2社との差は、
約15万円なっています。
月商(30日)換算で、450万円。
年商(365日)換算で、5,475万円と
圧倒的な差がついています。
■セブンが徹底した原理原則は何か?
それは、ドミナント戦略です。
ご存じの方も多いと思いますが、ドミナント戦略
とは、特定のエリアに経営資源を集中し、市場の
独占を狙う戦略です。
ドミナント戦略では、多店舗展開する際、
新店舗を出店するエリアは既存店舗と
商圏が隣接するエリアに出店する手法を採ります。
ドミナント出店の利点として
1, 既存店を知っている人も多く、地域に浸透しやすい
2, 資源を集中でき、配送・広告などの経費を効率的に使える
3,自社が好立地を押さえる事で、競合他社の侵入を防ぐなどがあります。
■筆者が新卒で入社した会社は、セブンなどと
同じく、チェーンストア協会に加盟しており、
理論として、ドミナント戦略は学んでいました。
しかし、20代で8店舗の統括をしていた頃の
担当店舗は、東京都中央区から山梨県甲府市に
あり、先に挙げた利点が活かされていた実感は
ありませんでした。
例えば、山梨県甲府で仕事をすると、
東京との往復だけで約5時間を要し、
勤務時間の多くを移動時間に費やしていました。
■「経営学の父」といわれたドラッカーは、
「転換期にあって重要なことは、変わらざるもの、
すなわち基本と原則を確認することである」
と指摘しました。
更にきわめて重要なこととして、
「いかに余儀なく見えようとも、またいかに風潮
になっていようとも、基本と原則に反するものは、
例外なく時を経ず破綻する。」と述べています。
経営者は、原理原則の重要性を気づかされる
ことがあります。
それは、自社や自分にとって不都合な現実に
直面した(している)時です・・・。
トップの重要な仕事の一つは、自社の採っている
戦略は、原理原則に合っているかを問い続ける
こと。
そして、それを徹底させ続けることに、
以上のような事例から思い起こした次第です。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
今日も、皆さまにとって、
最幸の一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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目先の1千万円の売上のために
将来の1億円を失うことがあってはならない。
鈴木敏文(セブンイレブン創業者 1932年~)
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