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陰徳を積む

陰徳を積む



■先週の水曜日、出張先の地方都市で、朝5時
過ぎにジョギングに出ました。夜明け前、まだ
ほの暗く雨の降る中、走っていると、傘をさして
街路樹の中でかがみ込む年配の女性がいました。


具合でも悪いのかと思い、声をかけようとしまし
たが、よく見ると植え込みの中のゴミを袋に拾い
集めている方でした。




■中国の古典『易経(えききょう)』に
『積善(せきぜん)の家に余慶(よけい)あり』
(善いことを積み重ねた家には、かならず良い
ことが起こる。)という言葉があります。


また、「善因善果(ぜんいんぜんか)」
「悪因悪果(あくいんあっか)」という禅語が
ありますが、良いことをやれば良い結果が生まれ
悪いことをやれば悪い結果が生まれるといった
意味です。


これらは、良い結果を期待してやるのではなく、
『陰徳』(人に知られないよう密かにする良い行い)
とまでは行かなくとも、当たり前の行為として
善い行いを積み重ねることです。


冒頭でご紹介したご婦人は、
コツコツと『陰徳を積む人』なのでしょう。




■先月、10年以上前から顧問をしている会社が
自社ビルを新築しました。


この会社には5年ほど前に新卒で入社した女性が
います。彼女は障がいがあり、車椅子で勤務して
います。


今回の自社ビル新築にあたり、この会社の社長は
2階建てのこの建物にエレベーターを設置ました。
さらに彼女が働く2階には普通のトイレの隣に
その3倍以上のスペースの車椅子用トイレを設け
ました。会社で車椅子を使っているのは彼女一人
です。


2~3年前に母親が他界した彼女は、自分が働く
会社が、このような設備をもつ新社屋を建てたこ
とで、どれほど勇気づけられたことでしょう。


以上、最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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人格者にも人徳があるように、
会社にも“社徳”が必要なのである

小倉昌男(実業家 1924~2005年)
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