中小企業のためのDX推進について
■今回は中小企業のDX
( デジタルトランスフォーメーション)
推進について情報共有します。
Windows98の発売からその浸透が進み
パソコンのない会社、パソコン抜きでの業務推進は
難しい現在。
2007年にリリースされ、翌年から加入者が増え始め、
今では子供からお年寄りまで使っているスマートフォン。
パソコンやインターネット、スマートフォンの
浸透によって新たに誕生した商品やサービス。
それらを活用した会社の代表としてGoogleを
はじめ、GAFAMといわれる企業群は隆盛を
きわめています。
■一方、変化への対応が遅れ、衰退あるいは
倒産に至った会社は数多くあります。
環境変化への対応は、私たち中小企業も例外
ではありません。
1981年、207万社あった小売業は
2014年には107万社と100万社が消滅
しました。
2007年に1万4千店余店あった町の書店も
2019年に9千2百店に減っています。
これらの変化の大きな要因の一つは、
ネット通販の浸透によるものです・・・。
■DX戦略のステップとして3段階があります。
紙情報をデジタル化する、デジタイゼーション
業務をデジタル化する、デジタライゼーション
ビジネスモデルをデジタル化する、デジタルトランスフォーメーション
それらを整理したものが下表です。
■DX(デジタルトランスフォーメーション)を
導入する目途などについて、旅行代理店を事例に
ご説明します。
下表は、旅行代理店であるHIS社のコロナ禍
直前の決算資料から、損益計算書の抜粋です。
これを見るとHIS社は、約8千億円を売上げ、
175億円の営業利益をあげ、広告宣伝費は、
営業利益の38%にあたる67億円を計上しています。
広告宣伝費は、主にこの会社が企画した旅行を
周知し、参加する人を集めるために新聞・テレビ
はじめ、ダイレクトメールやインターネット
広告などに費消されています。
■HIS社がDXを推進している状態とは、
この会社を利用したお客様と会社がつながり、
新たな旅行企画の情報をお客様の好みに応じて
瞬時にお伝えすることが出来ていることです。
つながっているとは、ご想像の通り、お客様の
メールアドレスやSNSアカウントを入手し、
会社から適時、情報をお伝えすることが可能な
状態です。
このデジタル技術の活用で、お客様は自分好みの
旅行企画をタイムリーに知ることができるという
顧客視点の価値創造が実現され、会社側からする
と、広告宣伝費やそれに関わっていた人の人件費
などが利益に置き換わる、ということです。
■最後に三重県にある昔ながらの小さな食堂が
AIを活用して、7年間で客単価を3倍、売上げを
5倍にした事例をご紹介します。
(出所:EBILAB WEBSITE)
1912年創業で伊勢外宮に立地するこの食堂は、
地域のイベントや天候などによって売上予測が
難しく、7年間かけてAIを活用し、売上予測
ツールの開発や顧客データ分析を行いました。
これを基盤に、仕入れ・シフト・集客施策・
商品開発などを最適化し売上げを伸ばしました。
さらにアンケートなどで集積した顧客データを
分析。お客様ニーズに即した付加価値(粗利益)の
高いメニュー・商品開発を行い、客単価を向上
させています。
時代は大きく変化し続けていますが、
成長の機会として、今一度、わが社の経営を
見直してみたいものです。
今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
――――――――――――――――――――――
変化とは、コンフォートゾーンから
抜け出すことで生まれるもの
(ロイ・ベネット 思想家 1957年~)
――――――――――――――――――――――