「人手不足時代の5つの打ち手」
「人手不足時代の5つの打ち手」
■先月、厚生労働省から
「令和4年版厚生労働白書」が発表されました。
その中で、日本を100人の国に例えた 「人口100人でみた日本」と
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21-3/dl/01.pdf
日本で一日に起こる出来事の数をあらわした
「日本の一日」があります。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21-3/dl/02.pdf
■それらの中で、興味深く感じたデータを
ご紹介します。
「人口100人でみた日本」の中から
・仕事をしている人は、53.5人
・雇用形態は、正社員28.7人、その他15.9人
・生涯でがんになるのは? 男性31.6人 女性25.8人
(2人に1人以上が、がんになる!?)
次に「日本の一日」から
・成人の平均歩行数は? 男性6,793歩 女性5,832歩
・生まれる人は、2,224人
・亡くなる人は、3,945人
・人口減少数は、1,721人でした。
■人口減少数が1日に1,721人ということで
わが国で、1年間に減少する人口を電卓で
叩いてみると
1,721人✕365日=628,165人
1年間に62万人以上が減少する・・・。
人口減は、何となく意識していましたが
数字の大きさに改めてビックリした次第です。
■さらに気になって、人口減の中、働き手の
数の変化を調べてみました。
{働き手の人口=生産年齢人口(15~64歳人口)}
結果は、下表などのとおり。
これから、わが国では、毎年50~60万人、
時期によっては、それ以上の働き手が減って
いきます。
■ちなみに、人口50万人前後の主な都市は
静岡市68万人、船橋市64万人、川口市59万人、鹿児島市59万人、姫路市52万人、宇都宮市51万人、松山市50万人、金沢市46万人で、
これらの都市人口相当が、全員、働き手として
消滅することが、これから私たちが毎年直面する
確実な環境変化です。
経営において、この環境変化を、今回のコロナ禍
で話題となった血中酸素飽和度に置き換えて表現
すると
レベル1 96-100% :正常値
レベル2 94-95% :息切れを自覚、要注意
レベル3 90-93% :酸素投与が必要、入院を検討
レベル4 89%以下:危険水準
現在、多くの企業はレベル2の状態。
これから働き手の減少という環境変化は、
現状対応のまま、あるいは、打ち手を間違うと
レベル3~4状態に陥ることになります。
すなわち、これからの時代は、働き手を集める
ことができない企業、離職率の高い(10%以上)
の企業、社員のモチベーションが低い企業は、
いかに良い商品や市場があっても存続できない
時代になるといえます。
■そこで、本欄では筆者が日頃、提唱している
「人手不足時代の5つの打ち手」
について共有します。それは以下の5つです。
1,既存人員の生産性向上
2,業務の見直しによる生産性向上
3,F・E・D人財の活用
4,求めるスペックの人財を自社で育成
5,労働条件の改善(給与・時間・環境など)
これらの打ち手は、比較的経費もかからず、
着手しやすい順に表記しています。
■今回は「人手不足時代の5つの打ち手」の
F・E・D人財の中で、F人財の活用について
解説します。
F・E・D人財とは、
F(Female 女性)
E(Elderly高齢者)
D(Disabled障がい者)を意味します。
実務上は、この3者に加えて、外国人、
LGBTQ(セクシュアル・マイノリティ)の
活用も行います。
■冒頭でご紹介した「人口100人でみた日本」
では、わが国の人口は男性48.7%で、女性は
51.3%と、女性のほうが2.6ポイント上回って
います。
一方、F(Female 女性):女性人財の
活用現況は、労働力人口比では女性が
13ポイント低くなっています。
また、雇用形態を見ると男性正社員比率の
78.1%に対し、女性の割合は44.5%と
男性との差は34ポイント以上あります。
さらに、管理職における男女比は
男性87.5%に対し、女性12.5%と
圧倒的な差がついています。
■これらのことから、女性活用には大きな余地が
あり、女性を活用することができた企業は、
大きな優位性を確保できることがわかります。
女性活用の答えは、勤務形態の見直しや
○○制度の導入などで、簡単に実現できるもの
ではありません。(そんな安直な方法があれば、
既に皆やっているハズです。)
■筆者が関わっている企業で、管理者の総数24名
に対し、女性管理者が10名と女性管理職比率が
41.7%の会社があります。
この会社では、日頃から対話が意識して行われ、
採用~人財育成、実務の場面で、常に経営理念が
確認されています。
また、お互いが成長し、助け合う企業風土醸成の
ための委員会活動なども活発に行われています。
このように組織開発に時間をかけ、地道に継続
した上で、勤務形態の見直しや、福利厚生の充実、
企業内託児所の設置などを行い、女性活用の促進
に取り組んでいるのです。
今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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考えなさい。
調査し、探究し、問いかけ、熟考するのです。
ウォルト・ディズニー(実業家 1901~1966年)
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