中期経営計画
中期経営計画
■先週、関わっている会社の
中期経営計画策定合宿がありました。
大和総研の集計では、国内上場企業による
2022年1~8 月の中期経営計画発表件数は
480件でした。
日本の上場企業数は3,830社ですから
(出所:日本取引所HP 2022年9月現在)
上場企業の12.5%が、この期間に
中期経営計画(以下“中計”と称す)を
提出したことになります。
また、日本 IR 協議会
「IR 活動の実態調査(2018 年)」によれば、
自社のウェブサイトに中計を掲載している
企業の割合は 62.6%です。
競争相手を意識して、自社の中計を公開して
いない企業が相当数あるものと推察します。
これらのことから、ほぼ全ての上場企業では
中計を有しており、中計は会社発展に有効で
あるといえます。
■一方、中小企業で経営計画(短年度)を
作っている会社は、そう多くありません。
今まで、2百社以上の経営計画とその実行度合い
を確認してきましたが、経営計画を活用し、
素晴らしい経営をされている会社もありましたが、
その大半は、過去の踏襲部分が多く、マンネリ化
し、不本意な経営状況でした。
■筆者はかつて、新規株式公開の際に中計を
作成し、その計画を達成した経験を通じて、
中計の意義や効能、その遂行のプロセスを
体験しました。
ご存知の方も多いと思いますが、新規株式公開の
際、原則、売上ならびに利益の前年割れは、即、
株式公開中止となります。
さらに、経営の精度を上げるために有効な
「業務記述書」、「フローチャート」、
「リスク・コントロール・マトリックス(RCM)」の
作成と運用は、内部統制の3点セットといわれる
必須要件です。
■中計策定の効能の一つに、単年度の経営計画
ではカバーすることが難しい経営課題に
アプローチできることがあります。
その、項目を列挙すると
1, 自己資本比率を**%から○○%にする
2, 採用数と昇格者数の設定
3, 新規事業開発~黒字化計画
4, 従業員エンゲージメントスコアの設定
5, 粗利益率を現状プラス15%アップ等など
自己資本比率は、財務体質に関連する項目です。
体質改善ですから、単年度で完結できる課題では
なく、長期ビジョンを定め(例:無借金経営)、
中計で自社の体質に見合った目標設定を行い
中計から中計をつないで、尺取り虫のように、
盤石な財務体質を作り上げていくのです。
他の項目も同様に、短年度の視点では得られぬ
視点と成果を得ることができるのが中計の効能です。
■中計の策定は、基本、通常のお作法に則り
フレームワークを使って成果物を紡ぎ出していき
ますが、その内容は会社によって異なります。
その主眼は、あくまでも当該企業の永続的発展の
ための実利と実効性の担保です。
また、その策定と遂行を次世代経営チームに任せ、
現経営陣は、その承認とフォロー、あるいは
見守りに徹し、事業継承の一環としている会社も
あります。
以上、中計についての所見を共有させていただき
ました。
今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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どんな事業でも、成功するためには、
確実に計画性をもって、たゆみなく働くことだ。
アンドリュー・カーネギー(実業家1835~1919年)
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