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“真”経営ピラミッドを再認識する

“真”経営ピラミッドを再認識する



■先週の金曜日、午後から都内で打合せが2件
あり、午前中はワタリウム美術館で開催中の
鈴木大拙展Life=Zen=Artを観てきました。


ご存知の人も多いと思いますが、鈴木大拙は
禅の教えを世界に広めた導師です。


その交友範囲は、西田幾多郎(哲学者)、
坂本龍一(音楽家)、南方熊学(学者)、
棟方志功(芸術家)、ジョーン・ケイジ(音楽家)、
ヨーゼス・ボイス(芸術家)など多岐にわたります。


今回、大拙はじめ、関係者が遺した作品に接し
改めて思想のもつ意義とその永遠性を感じた次第です。


■夕方から、渋谷の<並木橋なかむら>という
居酒屋で食事をしました。


この店は予約が取れない店として有名らしく
今回はじめて連れて行っていただきましたが
その運営内容に感じるところがありましたので
共有させていただきます。




■お店に入るとオープンキッチンで働いている
人たちが目に入ります。

通されたのは、12席ほどあるカウンター席の
角でキッチン全体が見渡せる席。

2時間ほどの滞在でしたが、経営のあり方を
再認識するいい機会になりました。




■働いている人たちは20代~40代の約12名。
料理や器、設えの良質さは当然のことながら、
スタッフ間の関係性が秀逸でした。


多様な人たちが働いていましたが、
皆さん敬語を使っています。


それは、ごく自然に使われており、
相手を大切に思う気持ちのあらわれと感じました。


超繁忙店で2時間以上の滞在でしたが、スタッフの
ネガティブな言動を感じることは一切なく、
節度ある中にも、元気あふれるオペレーションを
体験し、幸せな気持ちになりました。




■小欄で何度か紹介していますが、筆者が提唱する
“真”経営ピラミッドという概念があります。


このお店の場合、予約が取れない店や、繁盛店
という数字や状態を生み出しているのは、
商品やサービスの戦略や戦術です。


その戦略・戦術を最大限に発揮せしめるのは
働く人一人ひとりの心の置所である組織風土
です。


つまり、どのように優れた戦略・戦術を
考え出しても、現場で働く人の心がバラバラ
ですと、長期間の繁栄は難しいということです。



組織風土を形成する下の層には、
会社の存在意義や目的を著す「経営理念」と、
目指す姿を示す「ビジョン」があります。


更に最下層には「経営者の心」があります。
すなわち会社経営にとって、「経営者」、
わけても「経営者の心」が一番重要である。
ということです。




■"真"経営ピラミッドの考え方は、
筆者の実務経験と研究から得られた
経営に対する「岩盤信条」です。


この概念は、水が高いところから低いところへ
流れるが如く、「法則」と言っても過言では
ないと確信しています。




■今回、気になってこのお店の経営者の考え方を
調べてみました。その語録の一部を掲載します。




ここから
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当社は決して大きな企業ではありません。
売上規模を誇ったり、上場を目指したり、
そんなこととは無縁です。

大切にしているのは、お客さま、そして街から
長く愛される店を、丁寧につくっていくことです。


そのために一番大切なのは、現場で働く一人ひとりが、
おいしいものや素敵なサービスを提供したいと思って、
日々改善していく努力をすることです。


そんな想いのある人にとっては、
やりがいがあり、成長できる環境だと思います。

前向きなスタッフが気持ち良く働けるように、
会社としても可能なかぎりバックアップしていく
つもりです。

有限会社フェアグランド 代表 中村 悌二
(出所:同社ホームページ)
https://fair-ground.jp/

ここまで
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■皆さんご存知のように、居酒屋は、コロナ禍で、
大きな打撃を受けた業界です。


この会社は、ホームページを拝見すると
直営7店舗ながら、
『元フェアグランドの仲間が独立開業した店舗です』
として27店舗が紹介されていました。


今回、<並木橋なかむら>を利用させていただき
このお店のスタッフが、経営者から単なる優しさ
だけではなく、誠実に大切にされていることを
実感しました。

また、"真"経営ピラミッドへの認識を、さらに
深めた次第です。


今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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人間は偉くならなくとも一個の正直な人間と
なって信用できるものになれば、
それでけっこうだ。
真っ黒になって黙々として一日働き、
時期が来れば“さよなら”で消えていく。
このような人間を偉い人だと自分はいいたい。
鈴木大拙
(仏教学者 1870~1966年)
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