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中小企業白書と経営理念

中小企業白書と経営理念



■先週は、1日(月)から6日(土)まで
4日(水)を除いて、現場に行き、対面で
仕事をしました。


それ以外に、オンラインでやったことを
書き出してみると、下表のようになり、打合せや、
受講(学び)、コーチング・面談など、
オンラインツールを使わない日はありませんでした。


現場での仕事の中には、オンラインを使用した
ハイブリッド形式も採っている場合もあり
行動様式の変化に、改めて驚くと共に
あり方の本質を見失っていないかを
自身に問いただすいい機会となりました。


   

■7月25日、2022年度版「中小企業白書」
が発表されました。


今回は、本書の第2章 「企業の成長を促す
経営力と組織」の中から、経営理念と生産性
(業績)との関係について共有します。


上のグラフは、2015年と2021年の
労働生産性の差と、経営理念の浸透度の
関係を示したものです。


その内容をみると
経営理念が、全社的に浸透している会社の
2015年と2021年の生産性の差は424で、
浸透していない会社の同期間の生産性の差は28。



経営理念の浸透度による生産性の差が15倍
となっています。




■この調査結果は、筆者が大学院で調査研究した
結果と相似形で、かつ、現場での経験とも
一致するものです。


同白書の調査結果では、生産性(業績)の向上
以外で、経営理念の浸透から得られている
効果として、以下の項目があげられていました。


1,    従業員の自律的な働き方の実現、就業観などの共有

2,    仕事や目標達成に対するモチベーションの向上

3,    自社の意思決定の拠り所となった

4,    顧客や取引先との関係強化

5,    従業員の自社への愛着度の向上

6,    新たな事業、製品・サービス開発

7,    共感する人材の新規採用

8,    外部環境への安定的な事業展開





■経営理念の浸透は、重要度は高いが緊急度の
低い、いわゆる第2領域といわれることで、
やっても、やらなくても、直接的な痛みや
不具合を感じることは少ないものです。



さらに、経営理念の浸透に注力してから、成果と
してあらわれるなど、その効果が実感できるまで
一定期間を要するので、多くの経営者がその効力
に気づかずにいることは、極めて残念なことだと
感じています。



■一方、経営理念の浸透に取り組み続け、
永続的に業績を上げている経営者は、
その重要性を十分に知悉しているので、
さらなる理念浸透への投資を続け、
好循環が成立しているのです。



同白書では、経営理念の浸透に向けて取り組んだ
行動・取り組みとして、以下の7項目が
紹介されていました。

1,    経営者による年頭挨拶や社内会議での訓示

2,    自社ホームページでの掲載

3,    社内研修などを通じた教育

4,    経営理念・経営ビジョンに基づく規範・ルールの策定

5,    経営者による率先垂範

6,    社内のパネルやポスターなどでの掲示

7,    社内報やパンフレット、メッセージカードの配布



このように列記すると、筆者が関わってきた
会社の打ち手も、ほぼ同じ内容ですので、
実務的に見ても肯首できるものです。



今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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「君子喩於義、小人喩於利」

上に立つ立派な人は正しいこと、
同義を基準に判断するが、
小人は眼の前の利益を元に判断する。

孔子(思想家 紀元前551年 ~ 紀元前479年)
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