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経営理念と社員満足(幸福)度

経営理念と社員満足(幸福)度


■先週末、友人たちと3人で、越後湯沢を
旅してきました。

清津川沿いとブナ林をトレッキング、
清津峡渓谷トンネル、焚き火、温泉と、
自然を満喫し、楽しい夏の思い出が
たくさんできました。


■今週の月曜日(7/25)、
関係している会社の定期訪問日でした。
背伸びをしない経営に徹し、
創業以来 70 年以上黒字経営を
続けているこの会社。

今回は、6月に社長以下幹部が、合宿して作った
中期経営計画の深堀りを行いました。

後継者である社長のご長男(30代後半)が
全体をリードし、すすめていきます。

場は、終始なごやかで、笑い声が絶えません。
そして、特筆すべきは、参加者全員が
経営理念を意識してその場に臨んでいる
ことでした。




■経営まわりの市場では、常に新しい用語や、
やり方が紹介されています。

近ごろですと、「ティール組織」、
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」、
「リカレント」、「フィンテック」、「D2C」
などなど、数え切れないほどです。

これらの中でほとんど言葉は、
10年後には忘れ去られていることでしょう。


一方、経営の1丁目1番地にあるのは
経営者の心から発露した「経営理念」に
ほかなりません。


多くの企業がこの原理原則を知らずに
隘路にはまり込んでいる状況を
誠に残念に思います。




■筆者の実体験からも、組織の存在価値や方向が
示されていなければ、社員をはじめとした
関係する人々は、何をモノサシに、
どんな努力をすればいいのかが、わからず、
不安と疲弊を増長させていきます。


なぜなら、経営理念は「目的(なんのため)」で
これが示されていないと、只々毎日、
意味も分からずに業績を上げることが
仕事になるからです。


そして、経営理念は、ただあればいいというもの
ではありません。

その経営理念が、全社員にまで理解され、
実践され、浸透していることがより重要です。




■筆者が大学院在学時に共同執筆した
『いい経営理念が会社を変える』(ラグーナ出版)
では、全国各地の評価の高い56社の経営理念と
その浸透策について、現地取材に基づき
執筆しましたが、長きにわたり繁栄している
会社は、例外なく「経営理念」の理解・実践・浸透が
なされていたのです。


さらに執筆のための調査研究から分かったことは
「社員満足度」が高い会社は好業績を続けており、
逆に「社員満足度」が低い会社で、好業績を続け
ている会社はありませんでした。

蛇足ながら、筆者の周りではこの「社員満足度」を
「社員幸福度」にアップデートして
取り組んでいる会社が増えています。




■では、どうすればこの「社員満足(幸福)度」
が上げられるのか、アンケートを使って
調査研究したところ、以下の6点が重要であると
導き出されました。


1, 信頼される経営者になる

2, 役職者の意識と資質を高める

3, 価値ある経営を実践する

4, 仕事のヤリガイを感じてもらう

5, 職場の人間関係をよくする

6, 会社の将来像を示す




■ここでは
2, 役職者の意識と資質を高める

について、情報共有します。


調査研究では
「社員のモチベーションを高める上で重要なことは何ですか」
という設問に対し、
「中間管理職の人格・識見・能力」と回答した
会社の割合は45.4%と
「モチベーションを高める制度」の10.5%や
「一般社員の姿勢」の7.3%などを
大きく上回っていました。


つまり、モチベーションを高める制度の
有無も大切ですが、それよりはるかに
大切なのは、一般社員が、日常的に接する
役職者の人格・識見・能力だったのです。


では、あるべき役職者の姿とは何か。
それは、自身の使命・役割を理解・認識し
社員さんのヤル気を高める言動を
採り続けることです。


そして、部下をリードし、支援し、
燃えさせ、自分の後がまを育てることで、
組織の永続的な発展が担保されるのです。



今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆


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経営理念が確立できれば、
その事業は半分成功したようなものや  

松下幸之助(実業家/1894~1989年)
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