啐啄同時(そったくどうじ)
啐啄同時(そったつどうじ)
■今週の日曜日(5/22)、空手道場の
体験稽古をしてきました。
空手は20年ほど前までやっていましたが、
株式公開業務が多忙になり、遠ざかっていました。
今回、稽古をした道場の空手は、
以前やっていたスタイルと同じ
フルコンタクト空手です。
稽古内容は、基本稽古〜移動稽古〜ミット打ちでした。
全員が緊張感を持って、肚(はら)から声を出し、
礼に始まり礼に終わる…。
久しぶりに武道特有の凛とした清々しい気持ちを
味わってきました。来月から入門します。
■ 禅宗から出た言葉で「啐啄同時(そったくどうじ)」
という言葉があります。
その意味は、ヒナ鳥が卵から産まれ出ようと、
殻の中から卵の殻をつついて音をたてた時、
その音を聞いた親鳥が、すかさず外から
殻をついばんで、殻を破る手助けをすることを
意味します。
これが「啐(そつ・なめる)」と
「啄(たく・ついばむ)」の関係です。
互いのバイオリズムが同調したとき、
新しい何かがうまれるのです。
■人の成長にかかわる仕事をしていて、
上司と部下の「啐啄同時」、すなわち
タイミングの重要性を感じることが
少なくありません。
同族の事業継承の場合は、父親と息子の
関係が多く、何十年という長い時間をかけて、
そのタイミングをはかる訳ですから、
父の大局観と忍耐が大切だと感じています。
■先週の土曜日(5/21)、創業60年を
超える会社の社員勉強会をおこないました。
現在の社長は2代目で、そのご長男が参加されました。
有名大学を出て、大手企業に勤め、この4月から
この会社に入社された30代前半のご長男。
マスクをしていますが、精悍な目が印象的です。
さらに、勉強会の中でのワークや、休憩中に他の
方たちと積極的かつ、自然体でコミュニケーショ
ンをとる姿勢も立派です。
■今回の勉強会の成果物の一つに
「個人の未来ビジョン」があり、勉強会の最後に、
成果物の発表を社長以下役員の前で行いました。
彼の発表内容の中で
「自分の使命は、この会社を百年企業にすること」
とありました。
その発表を聞いた瞬間、
文字通り鳥肌が立ちました。
もちろん、参加者に対して、
当方からの誘導は一切ありません。
■事業継承の成否の要素は多々あり、
わけでも、後継者の覚悟がその最大の要素である
ことは、以前の本欄でご紹介してきました。
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-246.html
今回、後継者の覚悟を目の当たりにして、
現社長の長年にわたる心遣いを感じると共に、
後継者へ最大限の支援を心した次第です。
今日も皆さまにとって
素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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親思ふ心にまさる親心。
吉田松陰
(思想家 1830~1859年)
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