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墓参と新産業創出論

墓参と新産業創出論


■日曜日(5/15)墓参りに行ってきました。
現在の所に墓を建てて以来、20年以上続く
毎月のイベントです。

無信心な筆者は、当初、妻に言われるまま
受動的に墓参りに行っていました。

そして、ご先祖さまへの供養と感謝の行為として
形式的に線香を上げ、手を合わせていました。

そのうちに、墓参りは自分の気持ちを整理し、
幸せを実感できる貴重な機会であることに気づき
今ではすすんで行くようになっています。




■妻が墓参に勤勉なのは、出身地が鹿児島市
であることが大いに関係しています。

初めて鹿児島の妻の実家のお墓にお参りした際、
お彼岸でもないのに、霊園へ行く車で、道が
混んでおり、野球場より大きな霊園に大勢の人が
いたことにビックリしました。

妻に聞くと、鹿児島では毎月の墓参が恒例行事と
なっている家庭が多いということでした。




■鹿児島の墓参回数が、他県に比べ多いことは、
大学院時代(2014~2018年)新産業創出論を
学んだ際に
「こういうことか!」、
「データの使い方にはこのような手法があるんだ!」
と合点がいきました。


新産業創出論で使う主な資料は、以下の
政府統計調査データです。


・主要耐久消費財の保有数量の推移
・特産品の都道府県分布
・中長期データに見る社会構造の変遷
(人口、出生数、65歳以上の人口など79項目の30年間の推移)
・家計調査年報
・日本の地域別将来推計人口


この中の家計調査年報は、一般家庭で家計の
収入や支出を記録してもらい、その結果を
取りまとめて国民生活の実態を家計の面から
明らかにしたものです。



■家計調査年報2020年の調査結果から
「切り花」の都道府県庁所在市別
1世帯当たり年間の品目別支出金額を調べると

全国平均の8,152円に対し、
鹿児島市は11,409円となっており
全国平均の1.4倍になっています。

この差異は、鹿児島市が墓参で「切り花」を
供える回数の多いことにあることと結びつきます。


このように、新産業創出論は、地域別の
消費傾向や人口などの社会構造の変遷などから、
地域や企業における新産業創出の方向・方策を
習得するものです。




■下表は、総務省統計局がまとめた家計調査資料
2020年調査データを加工したものです。


これらのデータから、外食費の全国平均は
129,726円で、一番消費額の多い都市は
東京都区部で194,094円、消費額の一番少ない
都市は、長崎市の96,032円であることが
確認できます。


また、同じ外食市場で「焼肉」の支出金額は
全国平均5,812円に対し、
「すし」の全国平均は12,751円で
「すし」の市場規模が「焼肉」の2.2倍で
あることがわかります。


ほか、ゴルフプレー代や月謝の世帯当たり
消費額にも地域別で大きな差異があることが
確認できます。



■さらに、これらのデータから、当該地域の
世帯数を乗ずると市場規模が算出できます。

くわえて、別の政府統計資料である経済センサス
から、当該地域で同業種の法人の活動状況を
把握することが出来、それを見える化していくと
見えなかったビジネスチャンスがひらけてきます。




■市場を分析する際、その市場を時系列で捉える
ことも肝心です。


上表は介護支出の推移ですが、
かつて3,823円だったものが
2020年には2倍の7,886円になっています。


ご存知のように人口統計から高齢者の絶対数は
2045年まで増え続け、私たち中小企業が
お役立ちできる領域は、介護業界のみならず、
衣食住はじめあらゆる分野にわたります。


どのような時代になっても、勉強し続け、
しっかりと、なくてはならない会社を
作り上げていきたいものです。


今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。


日々是新 春木清隆
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自己満足しない人間の多くは、
永遠に前進し、永遠に希望を持つ。

魯迅(中国の思想家 / 1881~1936年)

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