日本でいちばん大切にしたい会社大賞
日本でいちばん大切にしたい会社大賞
■先週の土曜日、自宅近くの内科クリニックで
3ヶ月に一回の血液検査をしてきました。
その際、スマートフォンをクリニックに
置き忘れ、クリニックが午後から休診だったので、
月曜日、仕事から帰宅するまでスマートフォン
なしの生活をしました。
スマートフォンは、普段、一日3時間前後の
使用時間ですが、スマートフォンなしの生活を
してみて、日頃、どれ程スマートフォンに
振り回された生活をしているか実感できました。
スマートフォンなしの生活は、禁煙して感じた
開放感と似たような軽やかさがあり、今後、
定期的にやってみようと思いました。
■筆者も所属している人を大切にする経営学会が、
先月、第12回
「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を
発表しました。
この賞の応募資格は、過去5年以上にわたって、
以下の6項目全てに該当していることです。
1,希望退職者の募集や人員整理(リストラ)をしていない
2,重大(死亡や重傷)な労働災害を発生させていない
3,一方的なコストダウン等理不尽な取引きを強要していない
4,障がい者の雇用率は法定雇用率以上である
5,営業黒字で納税責任を果たしている(除く新型コロナウイルスの感染拡大等の影響による激変)
6,下請代金支払遅延防止法等の法令違反がない
応募した後、書類審査である一次審査
審査員によるヒアリングを行う二次審査を
通過し、受賞にいたります。
応募資格のハードルの高さからもおわかりの通り
受賞をまでの審査は極めて厳正で、数ある表彰
制度の中でも、これ以上の狭き門を知りません。
■今回、筆者の関係する会社がこの賞を受賞し、
該社の了解をいただきましたので、ここにご紹介
します。
その会社は、静岡県静岡市にある
村田ボーリング技研株式会社です。
創業は1950年で、金属表面処理加工業を営み
社員数は92名の会社です。
学会が発表している受賞理由として
① 背伸びをしない経営に徹し、創業以来 70 年間黒字経営である
② 所定外労働時間が 10 時間以下である他、実質定年もなく、80 歳の社員もいる
③ 社員の誕生日にはバースデーケーキとお線香のプレゼントや、奥様の出産時に男性社員は 5 日間の連続休暇等、法定外福利が充実している
④ 障がい者施設から絵画をレンタルしたり、お菓子を購入する等社会貢献に熱心
となっています。
■「人を大切にする経営」というと、福利厚生
など、待遇面が注目されがちですが、厚待遇を
実施するためには、好業績による原資の確保が
必須で、その循環をザックリと示すと以下のような
概念図となります。
■この会社の場合、大企業が参入し難い、
溶射という比較的小さな市場で、卓越した技術と
営業パーソンによるきめ細やかな顧客との
リレーションが好業績の要因の一つです。
すなわち、非価格競争での差別化戦略を採って
いることが好業績の要因の一つです。中小企業の
非価格競争に関する事例紹介は、以前の小欄でも
ご紹介しました。
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-248.html
■自社事業の差別化について考えるヒントとして
以下の問いに対する答えを書き出してみることも
有効です。
1,自社の真の商品あるいはサービスは何ですか?
2,それは、<価格>ではなく<価値>で選ばれていますか?
3,それは同業他社と比べて優れていますか?
4,それで5年後も安泰ですか?
5,あなたの会社の真の商品あるいはサービスはなんですか?
■この会社が、70年以上の長きにわたり黒字
経営を続けている要因が、非価格競争の差別化
戦略を採っていることに加え、より本質的な
強さを醸成していることがあります。
それは、目立たぬ地道な努力を積み重ねていることです。
ここに、多々ある地味な努力から一つだけ
ご紹介します。
現在の社長は、3代目の村田光生氏ですが
2005年から始めた社長ブログは、
2008年から、日祝日もふくめ、365日
欠かさず、書き続けいていることです。
このブログだけでも、営業面や組織開発上で
大きな役割を果たしていることは想像に難く
ありません。
継続の力、恐るべしです。
現在この会社では、30代後半のご長男が後継者
として、燃えに燃えて事業継承の真っ只中です。
今日も皆様にとって
素晴らしい一日になりますように
日々是新 春木清隆
――――――――――――――――――――――
小さなことを積み重ねるのが、
とんでもないところに行くただ一つの道
イチロー
(野球人 1973年~ )
――――――――――――――――――――――