ブログ
日常

多様な人たちと共に生きる

多様な人たちと共に生きる


■先週、就活中の男子大学生2人と話す機会がありました。2人とも将来を真剣に考え、活発に就活を行なっているようでしたが、対話をしていて、「そうなんだ⁉」と感じたことがありました。彼らは、会社を選ぶ基準の大きな要素として、在宅勤務を実施していることが前提で、出社頻度を比べていることでした。それは、全く同じ条件の会社があった場合、出社頻度が少ない会社を選ぶということでした。



■2024年以降、働き手である生産年齢人口(15~64歳)に占めるミレニアム世代(1980年から1995年の間に生まれた世代)以降に生まれた人の割合が50%を超える状況の中で、働き手の世代交代は確実に進んでいます。就活中の大学生との会話から、私たち受け入れ側の感性や受け入れ体制について、考える必要性をあらためて認識したのです。




■多様な価値観や背景を持つ人たちを活かす経営をダイバーシティ経営といいますが、経済産業省では、ダイバーシティ経営を「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」と定義しています。

「多様な人材」とは、性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向、宗教・信条、価値観などの多様性だけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性も含みます。「能力」には、多様な人材それぞれの持つ潜在的な能力や特性なども含みます。「イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」とは、組織内の個々の人材がその特性を活かし、生き生きと働くことのできる環境を整えることによって、自由な発想が生まれ、生産性を向上し、自社の競争力強化につながる、といった一連の流れを生み出しうる経営のことです。 




■同じく先週、関係している会社の幹部会議で、嬉しい話を聞きました。この会社では定期新卒採用を行っているのですが、障がいをお持ちの方はじめ、コミュニケーション能力などの観点から一般的な会社では、採用することを尻込みするような特性の方も採用しています。


その会社で、2021年度新入社員の1人が、自部門の業績が他部門と比べ、遅れていることを気にかけ、自分が何をすれば自部門の業績向上につながるかを周囲の人に一所懸命に聞いていたというのです。


この新卒者(女性)は、それほど器用な人ではないので、多くの人と伸びやかに交流することは難しく、学生時代に、いわゆるイジメにもあっていたと聞いています。


そんな彼女が、この会社は、自分を受入れ、認めてくれる安心・安全な場所だ。仕事は大変だけど、頼もしい先輩たちと日々一緒に働くことは、自身の大いなる喜び、と思っていることは、毎月のフォローアップ研修で接していて感じていましたが、彼女の成長話を聞き、シビれるおもいでした。



■在宅勤務の頻度を会社選択の基準にする大学生。働く仲間のために、自分に何かできないかと行動する新入社員を育てる組織風土……。

今、私たちに、多様な人たちを幅ひろく受け入れ、一人ひとりの持ち味を活かしていく組織風土を、丁寧に、根気強く、醸成していくことが、求められているのでは、と改めて感じた次第です。


今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

――――――――――――――――――――――
足並みの合わぬ人を咎(とが)めてはいけない。
彼はあなたが聞いているよりもっと見事なリズム
の太鼓に足並みを合わせているのかも知れない。

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー
(1817~1862年 アメリカの思想家)

――――――――――――――――――――――


Copyright(c) hibikorearata All rights reserved.