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年の瀬に

年の瀬に


■年の瀬となり、普段とは違った時間を
お過ごしの方も多いと思います。

年内に終わらせるべきことを終わらせ、
新年に向かって気になることを済ませるべく
取り組まれている方もいらっしゃることでしょう。



■毎年、この時期は振り返りと計画を
たてることが習慣となっています。


その際にフレームワークなどの道具を
使って考えを深めることもしますが、
基本的な考え方は、原理原則や古典など
先人の知恵に助けられています。



■中国、宋の時代に生きた朱新仲
(しゅしんちゅう 1097~1167)という人が
「人生の五計」という考え方を説いています。
五計は、「生計」「身計」「家計」「老計」「死計」からなり、それは以下のように解説されています。


一  「生計」……いかに生きるべきか。人々は一般に生計と言うと生活、暮らしの意味にとっておるようだが、彼はもっと大きな、いわば「天地の大徳」を受けて生きる人間の本質的な生き方に迫っているわけであります。

二  「身計」……いかにわが身を人間として社会に対処させていくか、何をもって世に立つか、いかなる職業、価値観をもって生きていくかということ。

三  「家計」……これも、単に経済的な意味ばかりでなく、家庭というものをいかに営んでいくか、夫婦関係、親子関係はどうあるべきか、一家をどう維持していくかということであります。

四  「老計」……いかに年をとるか、人間は誰も生きているからには老いる。ことに日本は今や世界一の高齢化社会になり、老いることの難しさをひしひしと感じる昨今である。老後の生活とか健康ぐらいしか考えないが、「老」たるものの価値を生かしていかなければ、ただ寂しく年をとるというに過ぎないのであります。

五  「死計」……われ、いかに死すべきや。これについて思案の最も発達しているのは、言うまでもなく仏教ですが、儒教においても興味ある思案と実践がある。


以上、—『現代活学講話選集4 人生の五計 困難な時代を生き抜く「しるべ」 (PHP文庫)』安岡 正篤著から



■今年を振り返り、反省をし、来年の計画をたてる際、上記のような古典をベースとした考え方を参考にすることで、不具合や行き違い、対立などが減り、物事がうまく運ぶことが多くなるような気がしています。



■来る年2022年、皆さまにとって
良い年となることを心より願っています。
ありがとうございました。

日々是新 春木清隆
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過去から学び、今日のために生き、
未来に対して希望をもつ。

大切なことは、何も疑問を持たない状態に
陥らないことである。

アインシュタイン(理論物理学者 1879~1955年)

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