未来を考える2
■今週は、先週に続き、未来について
マクロ経済指標から考えてみます。
マクロ経済指標その1は、物価指数です。
下表は、消費者物価指数(赤線)と
国内企業物価指数(青線)
そして、輸入物価指数(灰色線)の
それぞれの前年比です。
これらをみると、輸入物価指数(灰色線)は
2021年3月から上昇し始め、2021年5月から
26%~31%で推移しています。
それに歩調をあわせるように
国内企業物価指数(青線)も2021年3月以降、
マイナスからプラスに転じ、ジリジリと上げ、
6.3%まで上げています。
一方、国内企業物価指数は、ゼロパーセント前後で推移しています。
■これらの指標観察から、石油をはじめとする
輸入物価は、軒並み上昇しており、
企業間物価指数に反映され始めている。
よって、あらゆる物価が上る可能性が高いことが
予想されます。
ちなみに、消費者物価指数は、米国・欧州・アジア諸国では、すでに軒並み上昇傾向を示しています。
■マクロ経済指標その2は赤字財政の拡大です。
国家予算についてはその概要を、以前の小欄でも
ご紹介しました。
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-209.html
下表は、2021年度の国家予算です。
ご存じの方も多いとおもいますが、
全体予算106.6兆円のうち、43.6兆円を
国債発行という借金でまかなっています。
さらに、歳出をみると、借金の返済にあたる
国債費が23.8兆円あります。
■これをサラリーマン家庭に置き換えて表現すると、年収630万円(税収57.4+税外収入5.6)の家庭が、毎年436万円借金(国債発行43.6)をし、1,066万円使っているが、そのうち238万円(国債費23.8)が、はじめから借金返済という自転車操業状態である。
という、極めて不健全な状態であることがわかります。話は横道にそれますが、これほどひどい財政状態でも、大臣や、議員さんが報酬返上した話は、不勉強ながら聞いたことがありません。
■これらのマクロ経済指標観察から、中小企業経営に関する方針として以下の3点を提言します。
1,売上増大≒提供価値の最大化に挑戦する
売上増大は=客数増 ✕ 客単価増に
因数分解されますが、中小企業が、
価格競争を選択することは、賢明な判断では
ないと、小欄で何度か解説しています。
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-248.html
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-272.html
安易な値上げは、客離れを起こしますので
自社の提供価値の最大化に注力し、売上増大に
挑戦します。
2,価格の見直しをはかる
上記と相反しますが、BtoB(企業対企業)取引が主体の会社は、価格の見直しをご検討ください。
まず、自社の諸経費を点検しましょう。
燃料代はじめ人件費など、上昇していることが確認できると思います。それらを価格に反映し、交渉することをおすすめします。
中小企業庁では、最低賃金の改定を含む労務費や原材料費等の上昇などが下請価格に適切に反映されることを促すため、発注側企業と受注側企業との価格交渉を促進するための取組を実施しています。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/2021/210830torihiki.html
3,「円」以外の資産を検討する
先ほど共有した国家予算をみて
わが国の経済状態を客観視すると
「危ない!」という意識を持つのは
正常な感覚だと思います。
「円」の信用や価値が下落することを想定し、
「円」以外の資産を調べ、リスクに備えた
資産配分を検討することをおすすめします。
以上、今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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どんな条件であれ、私には確信がある。
神は絶対にサイコロを振らない。
アインシュタイン
(理論物理学者 1879~1955年)
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