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可処分心理

可処分心理


■先週、出張で3つの県庁所在地を訪れました。
そこを歩いている人たちの様子に
首都圏のターミナル駅を歩いている人と
大きな違いを感じました。

それは、イライラしている人、余裕のない人が
首都圏と比べて地方都市のほうが、圧倒的に
少ないということです。


この違いの原因はどこにあるのかを思うと
一つは、満員電車による通勤事情
二つ目は、職場の雰囲気の違いによるものと
考えました。




■ご存知のように、可処分所得とは、
すべての所得から、支払いが義務付けられて
いる税金などを除いた残りの所得で、
自由に使える手取り収入のことです。



今回のタイトルである<可処分心理>は、そこから
連想~造語した言葉で、その人が自覚して
コントロールできる心理的余裕度のことです。




■イライラしている人、心に余裕のない人が
上司である職場の生産性が高まらない
ことは、容易に想像できます。
そして、そこで働く人にも、そのイライラが
伝染するでしょう。



一方、いい職場、継続して生産性の高い職場の
共通項は、そこで働いている人たちが、
仕事そのものに対してヤリガイを感じ、
その仕事にのめり込んでいる状態に
なっています。



最近の若い人は・・・云々。と言われ、
楽しい職場を作ろうとすることや
成果主義的な評価法の導入をご相談される
ことが少なくありませんが、
それは長続きしません。とお答えしています。




■ご存知の方もいらっしゃいますが
仕事には、外的動機づけ(報酬・昇格など)と
内的動機づけ(仕事そのものに組み込まれている
精神的報酬)がありますが、いい職場、生産性の
高い職場では、内的動機づけを重要視しています。


内的動機づけの要となるのは、上司です。
上司がどういう人か、どんな姿勢で仕事や
部下と接しているかが肝要です。



上司の態度や姿勢によって、部下は
『この人と一緒に仕事をすることが嬉しい』
と思うか、あるいは
『誰がこんな人(会社)のために仕事をするか』と
全く違う感情を抱きます。




■さらに、部下にとって、仕事は好きなことだけを
していれば良い訳ではありません。


上司は部下に、仕事の意義や意味を考えさせ
挑戦目標や達成のためのプロセスや手法
必要な人的ネットワークの組成なども
部下に考えさせることが肝要です。



部下に考えさせることは、上司が意識して
取り組まなければならない重要な仕事です。



そう、教えてはいけないのです。
本人に考えさせないと、教えられたことを
教えられただけやる、単なる作業者になり
部下は、仕事に真のヤリガイを感じることなく
どんより、陳腐化、不活性化していきます。



■仕事そのものに対してヤリガイを感じ、
その仕事にのめり込んでいる状態かどうかを
数字的に確認するために、定期的な調査も
有効です。



調査の設問内容は
・仕事に興味や関心を感じていますか?
・仕事をしていて幸福感を感じますか?
・仕事に意味や意義を感じていますか?
・この会社を友人などにすすめますか?

など簡単な設問1~5項目程度で
1~10の10段階評価です。
任意でコメント欄も設けます。


この調査を定期的に行います。
定期的とは、できれば月1回行うことです。

一般的にこの種の調査を行っている会社では
その頻度は年1~2回が平均的かと思います。

一方、この調査を毎月行うと、毎月の心の変動を
確認することから、思わぬ収穫があります。

例えば、人事考課のフィードバックの後
特定の部門では、芳しくない結果になった
などが分ることがあり、よりキメの細かい
対処が可能になるのです。



以上、働く人の心理的余裕度≒可処分心理から
いい会社を作るための上司のあり方、働く人の
心の状態調査について共有しました。


今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。


日々是新 春木清隆

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他人を型にはめ込んでしまわず、
自分の生きるふくらみとして、
いつも積極的に見かえせば、
思わぬ新鮮な人間像を発見するよ。
誰だってみんな面白い。

岡本太郎
(芸術家 1911~ 1996年)

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