幸福感と仕事
幸福感と仕事
■先週、地方都市の製造業で、シリーズで
行っている中堅社員勉強会を行いました。
タイトルは、
『より幸せな人生と職場をつくるために』
です。
概要は、一人ひとりが、独自のライフプランと
キャリアプランを紐付けて作り上げることです。
■この勉強会の内容の背景には、
昨今、「主観的に幸せ」である人が
多い組織において、多くの利点が
あることが検証されていることが
あります。
幸福感がもたらす影響の度合いを
検証した事例として
1、社員の辞職率が下がる
従業員の定着率が前年比で90%増加
http://observer.com/2014/02/inside-bs-tech-jobs-what-a-chief-happiness-officer-actually-does-for-a-living/
2、生産性で30%、営業で37%増加、
創造性を要求される仕事では3倍高くなる。
http://www.apa.org/pubs/journals/releases/bul-1316803.pdf
3、幸福な従業員はそうでない従業員よりも
病欠を使う日数が66%減る。
http://www.forbes.com/2010/08/13/happiest-occupations-workplace-productivity-how-to-get-a-promotion-morale-forbes-woman-careers-happiness.html
などの結果が得られています。
以前、小欄でご紹介した社員さんの
『幸福度診断シート』を作成した理由も
このような検証結果が背景にあります。
https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-263.html
■かつて、昭和の時代は、右肩上がりで
まわりと歩調を合わせて生きていくことが
安心な時代でした。
学校を卒業し、1社で勤め上げることが
モデル的な人生とされていました。
一方、転職するなど、そのコースから
外れることはとても不安で、まわりの目が
気になるなど、ライフプランと
キャリアプランの選択の自由度は
現在に比べ、とても低い時代でした。
■平成になり、高学歴化や女性の
社会進出が進み、結婚や出産なども
自己裁量によるところが大きくなるなど、
ライフプランの多様性が高まりました。
また、転職市場も活性化し、
転職が恥ずかしくない時代になり、
キャリアアップのための転職も
一般化しましたが、低成長時代で、
閉塞感が広まり、明確なライフプランと
キャリアプランが描きにくい時代でした。
■そして、令和の現在。
SNSなどから、日々おびただしい
情報にさらされ、コロナ禍で従来の
価値観やライフスタイルの見直しを
せざるを得ない環境下にあり、
会社も、働く人も、確かな打ち手や
行く先を見い出せていない状況が
多いのではないでしょうか。
■このような時代変遷と背景から、
先週行った勉強会の
『より幸せな人生と職場をつくるために』
では
ありたい自分の未来(ライフプラン)を
自ら描き、その実現に向けて、
今をデザインします。
それは、日々、幸せを体感することを
目的として、ライフプランだけではなく、
自身の仕事の意味と意義を立ち止まり、
改めて考えることでもあります。
■これらの内省と思考を通じて
参加者は自身の描く幸せな人生と、
仕事の内容が確かにつながっている
ことが実感でき、多くの利点が生み
出されることになるのです。
この種の勉強会による効果に
即効性は期待できませんが、実施した
製造業の会社は、50年以上黒字経営を
続けています。
今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
――――――――――――――――――――――
幸せを与えてくれるのは、
富でも豪華さでもなく、
穏やかさと仕事である。
トーマス・ジェファーソン
(アメリカの政治家 1743~1826年)
――――――――――――――――――――――