会社の偏差値
会社の偏差値
■本稿は、恩師である坂本光司先生の近著
『会社の偏差値』について情報共有します。
本書では強くて愛される会社になるための
100の指標が示され、その内容についての
解説が示されています。
■本書は、私が在籍していた
法政大学大学院坂本研究室での著書
『「日本で一番大切にしたい会社」がわかる100の指標』(朝日出版 2015年)が下地になっています。
100の指標は、50年8,000社を超える坂本先生の
現地調査研究をベースに、研究室に所属する
社会人大学院生(経営者・幹部社員・公認会計士・経営コンサルタント・公務員等約70名)の2年間にわたる討論や、策定した指標を携えた上での「いい会社」の経営者との現地調査等を踏まえ、ブラッシュアップを重ねて出来上がったものです。
■実際、私たちのチーム(4人)が現地調査で
訪問した会社(機械製造販売業)の経営概要は、
過去25年間、夏季賞与2ヶ月+冬季賞与2ヶ月
+決算賞与1ヶ月=年間賞与5ヶ月を支給し続け、
直近5期の営業利益率は7~17%で推移し、
自己資本比率は80%でした。
■研究室のメンバーが100の指標で
数多くの会社を採点してみた結果、
社員のモチベーションが高く、
安定的に好業績を持続している、
真にいい会社だと思える会社の点数は
例外なく高く、逆に社員のモチベーションが低く、
業績が慢性的に低迷している会社、
好不況のたびに大きくぶれる会社の点数は
例外なく低いという、まるで法則のような特徴が
確認されました。
■『会社の偏差値』の中には
以下の5つのパートがあります。
1,社員とその家族に関する指標
2,社外社員(仕入先や協力企業)とその家族に関する指標
3,現在顧客と未来顧客に関する指標
4,地域住民と障がい者など社会的弱者に関する指標
5,盤石な経営に関する指標
各パート20問。回答は◯✕形式。
1問1点で合計100点。
合計点の判定基準は
「超優良企業」は総合点で90点以上
「優良企業」は80~89点
「平均的企業」は60~79点
「改革・改善が急務の企業」は60点未満
となっています。
■『会社の偏差値』活用方法のポイントは
以下の4点です。
(会社の規模によっては、部門を一つの会社として
取り組んでいる事例もあります)
1,100の指標で課題の所在を明らかにする
2,優先度と重要度を判断する
3,全員参加で、より良い会社作りに取り組む
4,焦らず、ゆっくり、着実に実行し続ける
■さいごに私たちのチーム(4人)が現地調査で
訪問した会社の社長が話されていた言葉をご紹介します。
「1名の社員採用枠に対し170名の応募があった」
「採用で重視するのは、才能や学歴より、
理念に共鳴するか、利他の心が強いか否か」
「社員が永く、安心して働ける職場にしたい」
「役職者は、役を演じているだけで偉い訳ではない」
「安定継続は、たゆまぬ開発行為から」
今日も皆さまにとって、
素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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仕事に成功しようと思うなら、
つまり予想した結果を得ようとするなら、
自分の思想を客観的外界の法則性に合致
させなければならない。
毛沢東 政治家 1893~1976
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