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知識は経験を通じてのみ技術となりうる

知識は経験を通じてのみ技術となりうる


■業種や規模を問わず様々な会社で多くの
マネジャーとかかわってきています。


関係する期間に長短はありますが、
マネジャーに共通しているのは、皆さん課題を持ち、その解決のために苦慮されていることです。



■現状、多くのマネジャーは、自らもプレイヤーとしての数値責任や業務をもっています。その上で、価値観や雇用形態の異なる多様なメンバーと共にチームの責務を果たすことを求められています。


また、昨年からはテレワークや感染拡大防止策などでメンバーとのリアルな対話機会も減っています。

そして、自分の考えが正しく伝わらず、会社から期待し要求されていることに応えることが出来ない自分の不甲斐なさに心を痛めている方が多いように感じています。



■マネジャーの現状課題をお聴きすると
以下のような内容が大半です。

・現業の処理と効率性改善に追われ、次の一手を
考えるような時間がない

・積極的傾聴や1on1ミーティングのやり方などを学んだが、実際はうまくいかず、どうしていいのか分からない

・方針や業務分担をしっかり伝えているつもりだが、メンバーの指示待ち姿勢が変わらない

・結局、自分でやった方が早いので、
自分が部下の仕事をしている



■このような状況の中で、マネジャーの皆さんが自身の成長に取り組むために、まず、肝要なことは、手段や知識を学び、初めから上手くできる人はいない。という認識を持つことです。


自転車や水泳は、そのやり方を書いてある本をいくら読んでも、もしくは、その動画や講義を何十時間聞いても、実践しなければ上達しないのと一緒です。

自転車や水泳は、何度も転び、ヒザをすりむき、あるいは、大量の水を飲みながら体得してきたことと同じです。



「知識は経験を通じてのみ技術となりうる」
と私が唱えているのは、このような考え方が根底にあります。




■以上のような考え方から、マネジャー共育の場では自分がうまく機能していないことをどうしたらよくなるかを考える場としてとらえ、自らが内省する時間をもちます。


内省からつかんだ内容を仲間やファシリテーターの力を借りて探求していくと、マネジャーが従来の経験から、無意識に前提条件として考えていたことが多面的な視点や思考が欠けていたこと。


または、自分のやり方に固執していたことが、メンバーの心がどんどん離れていく原因であったことなどに気づくのです。これらの気づきから、解決の手がかりや手段を現場に持ち帰ります。


現場では解決の手がかりや手段を試行し、検証します。そして、再度、内省の場を持つのです。この繰り返しが、マネジャーの行動変容を促し、成長と課題解決につながります。




■激変する環境の中で、私たちは仕事への取り組み方や進め方を変えていく必要に迫られています。

私の周囲の会社では、マネジャーの行動変容につながる仕組みを持ち、マネジャーに習慣実践として落とし込んでいる会社がほとんどです。



この習慣実践こそが成長の要です。



『論語』に「性(せい)、相(あい)近し。習えば、
相遠し」という言葉があります。

これは「生まれた時は誰でも似たようなもので、
そんなに大きな差はない。その後の習慣や学びの
違いによって、大きな差が出てくる」といった意味になります。



習慣実践を続けている会社の社員さんは
姿勢や顔つきから変わり始め、成長循環路線に
のっている人が少なくありません。
このような事例からも、論語で孔子の言っていることに大いに共鳴する次第です。

今日もみなさまにとって
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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千日の稽古を鍛とし、
万日の稽古を錬とす。

宮本武蔵
(剣術家 1584~1643年)

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