ブログ
日常

強みを活かす

強みを活かす


■会社の最大の財産である人を活かすために
「強みを活かす」をテーマに情報共有します。


人の配置は、その特性や希望、あるいは将来その人に
期待する役割を習得してもらうために、割り当てて
いることが多いと思います。
いわゆる適材適所の考え方です。



■過去、人の特性の見極めを誤り、失敗した経験を
共有します。


■その社員(Aさん)は営業パーソンとして勤勉に
働き、他の人に倍する成果を出し続けたので、
営業所長として登用しました。



しかし、その営業所の業績は低迷状態の上
営業パーソンの定着率が悪く、5Sの不徹底など、

営業所の数字と状態は期待していた水準を大きく
下回っていました。


Aさんと何度も対話の場を設け、意見交換しましたが
改善の様子は見られません。



■そのような煮詰まった状態のとき、思い出した言葉が
ありました。
それは、20代の頃、チェーンストア理論で学んだ
ゼネラルマネージャーとタレントスペシャリストと
いう用語でした。


ゼネラリストとは、広範囲にさまざまな知識、技術を
有している人のことです。
一方、スペシャリストとは、特定の分野や領域に関する
知識や技術に長けている人です。


そして、マネジャーは部下を持つ管理者。
タレントは部下を持たず、基本的に一人で仕事を遂行する人です。
これらは、人格・識見・能力の良い悪いではなく、
その人の持つ特性です。


この特性から、営業所長などの職種のように
部下を持ち、広範囲の業務を受け持ち、チームとして
パフォーマンスを発揮することを得意なゼネラルマネジャー。

そして、仕入れ担当者やプログラマーなど
特定の領域の知識と技術に長け、一人で仕事を完結する
タレントスペシャリストと呼びます。


■この考え方を思い出し、この特性を全く配慮せず
配置した私の間違いだったことに気づいたのです。


冒頭でもご紹介しましたがAさんは、周囲に迷惑を
かけることなく、営業パーソンとして立派な成果を
残していました。


営業所長として必要となる知識や技術を
教えることなく、また、その特性を見極めることなく
登用した私のミスでした。


Aさんは、管理者として慣れない仕事に
取り組みながら、何とかして期待に応えようと
もがき続けていたのです。


■Aさんの特性を改めて観てみると
タレントスペシャリストの要素が強いことが分かりました。

Aさんと話すと、本人もその働き方を望んでいました。
すなわち、部下を持たずに営業パーソンとして
ガンガン売ることに徹する、です。


タレントスペシャリストとして営業に専念し、
権限を大きく移譲した職種を社内で新たに作り、
Aさんに就任してもらいました。


その後のAさんの働きは、まさに「水を得た魚」状態
でした。
彼は一人で、年間2億円を超える粗利益を出し、
全社に貢献してくれたのです。



■以上、会社の最大の財産である人を活かすために
「強みを活かす」をテーマに情報共有をしましたが
その基になるのは「経営理念」への共鳴性です。

どんなに才能のある人であっても、会社の存在目的
である「経営理念」に対する共鳴性は大切です。

また、「経営理念」に対する真摯な取り組み、
言いかえれば、自己の人間力向上への弛みなき努力は
幹部の必須要件です。



今日も皆様にとって素晴らしい一日に
なりますように。

日々是新 春木清隆

―――――――――――――――――――――――
不得手なことの改善に
あまり時間を使ってはならない。
自らの強みに集中すべきである。

ピーター・ドラッカー
(経営学者 1909〜2005年)
――――――――――――――――――――――


Copyright(c) hibikorearata All rights reserved.