半世紀社員と経営者
半世紀社員と経営者
■先週、創業69年の顧問先で古参社員を対象に
ミーティングを行いました。
時節柄、オンラインと対面のハイブリッド形式での開催です。
匠(たくみ)社員会議と称するこの日の参加者は、
全員、定年を過ぎた方々で、うち2名が女性。
地方の高校を卒業し55年勤続の方を筆頭に
学卒入社で社歴50年の方など、まさに匠の称号にふさわしい
経験豊かな人財が連なりました。
■当日行った内容は、
1,心身ともに健やかに生きるための情報共有
2,社内の現状共有
3,経営理念(ありたい姿)確認
4,会社と後輩のあるべき姿に向けて、自分たちのできること
でした。
■終了後、社長との対話から、今回参加された方々の報酬が
現役社員と遜色ないことを聞いてビックリしました。
世間では、現役を退き、嘱託社員になると報酬は大きく
減額して、300万円以下が大勢です。
しかも、この逆風下で雇用を維持し、今回のような教育機会を設け
会社の一員として期待し、厚遇している社長を大いに讃えました。
■人がこの世に生まれてきた目的は
「人間性を高めるため」というのが私の信条です。
そのための最適な仕事の一つが経営者です。
なぜなら、自分と家族を幸せにすることだけでも
思い通りにならないのが世の常。
経営者は、激変する環境の中、一瞬たりとも気の抜けない状況で
会社を成長させ、社員とその家族を守り抜くために
どこまでやっても「これで大丈夫」という気持ちにはなれません。
このような、逃げられない厳しい立場にいるので
必然的に人間性が高まるのです。
そのような観点から、任期中に大過なく過ごすことに
腐心している大企業のサラリーマン社長より、
日々懸命に戦っている中小企業のオーナー社長が
貴い仕事をしていると思っています。
■現在、この会社の社長は3代目です。
亡くなられた先代とは短い期間でしたがご一緒することができました。
そのお人柄は、謙虚・堅実・質素な方でした。
そして、現在の社長も同じような徳性をお持ちです。
■小さな成功を収めた会社が衰退~倒産していくさまを観てきて
その因は、経営者の慢心・傲慢・不勉強に行き着きます。
■会社を発展させてくためには、経営の技術とスキルを
勉強することだけでなく、人間性、すなわち、徳目や考え方などを
向上し続けることが大切であることを再認識できた次第です。
今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。
日々是新 春木清隆
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人生の目的は自己の成長である。
人間性の成就を実現するために我々はここにいるのである。
オスカー・ワイルド
(アイルランドの詩人 1854~1900年)
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