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現場の力

現場の力


■3月に入り、今月が年度末の会社も
多いのではないでしょうか。
私の周囲でも、4月から新しい事業年度を迎える会社は
来期経営計画の仕上げ段階にあります。


経営計画策定の今期振り返りフェーズで、
「大変な年だったが、現場の人たちの頑張りで無事に新しい期を迎えられる」
「今期、皆、成長できたのではないか」
「この経験から会社はさらに強くなっている」
といった見解が多く出ていました。



■私自身、会社更生法適用から再上場した会社で
仕事をした経験から
<困難を乗り切るのは現場の力である>
ことを確信しています。

危機に瀕していたこの会社の中では、
人の本性がさらけ出されました。
・自分の立場を守ることに必死の人
・実務は最低限だけやり、評論家のように批判ばかりしている人
・今までカッコよく能書きを垂れていたが、突然、同業他社へ転職していく役職者・・・

喫煙室は、不安で張り裂けそうな心をもつ人たちが
無意味な情報交換をするために終日大盛況でした。

これらは主に本社スタッフの姿で
現場の人たちは額に汗して働いていたのです。
その現場の人たちの努力が、再上場の源泉になりました。



■現在、関係している会社は、現場の皆さんの奮闘努力で
この激変期を成長機会としていますが、これらの会社組織には
以下のような共通項があります。

・現場が強い責任感と当事者意識をもっている
・スタッフに信頼関係がある
・最後まで諦めずに取り組む人が多い
・現場の人たちが経営理念を理解し、共鳴している




■会社組織を日本の社会心理学者の三隅二不二氏の説く
PM理論(PM Theory of Leadership)に沿って考察すると
下の図表になります。


組織を「目標達成」と「集団維持」の四象限で分類
(リーダーシップの PM理論を参考)


PM理論では、リーダーシップをP:「目標達成能力」と
M:「集団維持能力」の2つの能力要素で構成されるとし、
目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力(P)と、
メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持する能力(M)の
2つの能力の大小によって、4つのリーダーシップタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)を提示し、PとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが望ましい、とした理論です。

PM理論を基に会社組織を分類すると
①PM型(P・M共に大きい)目標達成力も人間関係も強い、学習する豊かな組織
②Pm型(Pが大きく、Mが小さい)目標達成力は強いが人間関係が弱い、過剰統制の乾いた組織
③pM型(Pが小さく、Mが大きい)人間関係は悪くないが、成果をあげる力が弱い、慣れ合いの湿った組織
④pm型(Pが小さく、Mも小さい)成果をあげる力も、人間関係も弱い。無気力な氷の組織と分類できます。


■①の豊かな組織、組織風土を醸成するために大切なものは何か?
多くの要素がある中で、「本音を言える雰囲気」が最も重要と感じています。
「本音を言える雰囲気」と言っても慣れ合いの関係ではなく
「切磋琢磨」「信賞必罰」「愛情」に根ざし、精神的に自立した状態です。


組織の環境である私たちリーダーは、豊かな組織風土の醸成のために
コツコツと地道な努力を続けていきたいと思う次第です。

今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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花を支える枝
枝を支える幹
幹を支える根
根はみえねんだなあ

相田みつを(詩人・書家、1924~1991)
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