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既存事業を考える<差別化>

既存事業を考える<差別化>


立春を過ぎ、日ごとに春を感じられる今日このごろ。
毎年この時期は、花粉に鍛えてもらっています。


さて、前回は、現在の大きな環境変化を、私たちが変化し、
より進化するための機会と捉え、既存ビジネスを考える。
として、<集中する>、をテーマにお伝えしましたが。

今回は、<差別化>について共有します。
皆さんの既存ビジネスを考えるキッカケになれば幸いです。  


40歳で上場企業の部長職から、中小企業の一営業職になり、
取り扱ったのはフリーペーパーの広告でした。


それまでは、お客様が来てくださる商売でした。
初めての営業職でしたので、事前に、営業に関する本を
10kg以上読んで臨みました。


力をつけるためには圧倒的な量が必要。ということは
分かっていたので、地域のあらゆる業種の商店や中小企業に、
軒並み、飛び込み営業をし続けました。


店先で塩をまかれることもありましたが、
3ヶ月ほどで、歴代売上最高記録を更新でき
営業部長職に就きました。



その会社では、単純に広告枠を売ることが
営業パーソンの仕事でしたが、現場での営業経験から
会社の主幹商品である広告枠について、見直しをしました。


それは、自分たちの商品は広告枠ではなく
“広告効果”だということです。


お客さまは、広告枠にお金を
支払っているのではなく、広告(お金)を出して
集客や問い合わせが増え、売上増になることを
期待されているということです。


これを営業パーソンはもとより、
全スタッフに刷り込み続けました。
そして、具体的言動にまで落とし込んでいったのです。

例えば、それまでは受注時に社内では「契約をとった」と
言っていましたが、
「(お役立ちの機会を)頂戴したor頂いた」に変えました。


なぜなら、「とった」人がいれば「とられた」人がいる。
そんな狩猟のような仕事では幸せになれないし、長続きしない。


自分たちの提供しているものは“広告効果”だから
契約を頂戴した段階からが本当の仕事・・・。


だから、“広告効果”が上がるようにお客さまと
入念な打ち合わせを行い、知恵を絞り出すことが肝心。


それが、お客さまの努力の結晶である大切な利益から
捻出された広告費を上回る効果で、お指名いただいた
ご期待にお返しすることにつながるからです。


反対や抵抗もありましたが、一人ずつ賛同者を増やし
会社全体を巻き込んでいきました。


このようにお客さまが真に望んでいらっしゃる
“広告効果”を差別化の切り口として徹底するために、
上記の事例以外にも


1,電話の出方
2,社内インフラ(IT)の整備
3,広告効果の測定方程式を策定
4,広告効果測定のルーティン化
5,広告効果一覧の週次共有
6,広告効果事例集(営業ツール)の作成
7,業種別広告効果向上のポイント集の作成etc


このように社内のあらゆる業務を“広告効果”向上の
ために整えていきました。


同業他社は10社ほどありましたが、ほぼすべての
商圏内でシェア1位を獲得できたことが
その後の株式公開につながります。



この差別化の考え方は、あらゆる業種に適用できます。
特に現在のように、大きな変化が起きている最中は
既存事業を見直し、差別化を図る、絶好の機会です。

このような事例から、皆さんの既存事業における
差別化を考える問いとして


1,自社の真の商品あるいはサービスは何ですか?

2,それは、<価格>ではなく<価値>ですか?

3,それは同業他社と比べて優れていますか?

4,それで5年後も安泰ですか?

5,あなたの会社の真の商品あるいはサービスはなんですか?



以上、今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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需要を喚起するのは
「価格」ではなく「価値」である
鈴木敏文(株式会社セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問 1932年~)
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