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日常

無形資産の価値

私たちは、今、大きな環境変化の真っ只中で
明日への道を模索しています。


人口動態の変化、価値観の多様化など環境変化の
切り口は数多くありますが、今回は産業構造の
変化の側面から環境変化を捉えてみます。

すでにご存知の方も多い事柄ですが
改めて、マクロ視点で捉えることで、自社経営を
見直す機会となれば幸いです。


           (出所:総務省統計局 労働力調査 長期時系列データより筆者作成)



この表は産業従事者の推移を昭和28年から調べたものです。
注目すべきは、赤い丸で囲ってある部分です。
ここは製造業とサービス業の従事者が逆転したポイントです。
平成7年(1995年)。今から26年前です。



下表は、土地や建物に代表される有形資産と
特許、商標などの無形資産への日米両国の投資状況です。


アメリカでは2000年の境に無形資産投資が有形資産投資を
上回っていますが、日本は依然と有形資産投資が上位です。


          (出所:内閣府平成23年度 年次経済財政報告書)




これを見ると、かつて、株価の世界時価総額ランキングの
半分以上を占めていた日本企業が、GAFAに象徴される
企業群に駆逐され、現在ランキングされているのは1社。
という状況もうなずけます。



ここから企業経営に目を転じます。
下記2社は皆さんご存知の製造業とサービス業を
代表する企業の簡易貸借対照表と資産分析グラフです。
円グラフに表されているように総資産に占める
有形固定資産の割合が、19%と4%となっています。

これは製造業とサービス業を比較するための資料で
トヨタは固定資産以外の投資も重要視し、積極的に
投資している企業です。


                     (出所:各社有価証券報告書から筆者作成)




貸借対照表は企業体質をあらわすもので
その根底には経営者の思想が反映されていると認識しています。


無形資産を形成する経営活動には、
・研究開発
・ソフトウェアの開発または購入
・ブランド構築
・組織風土の醸成
・人財採用~育成などがありますが、

長きにわたって繁栄し続けている会社は、
例外なくこれらの行為を、わけても、組織風土の
醸成と人財採用~育成を計画的・継続的に取り組んでいます。

以上、今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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変化への抵抗の底にあるものは無知である。
未知への不安である。しかし、変化は機会と
見なすべきものである。変化を機会として
とらえたとき、初めて不安は消える。
ドラッカー(経営学者、1909~2005年)
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