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生き残りのヒント

■先週、所要があり都内の百貨店を利用し
気付いたことを共有します。

店内は、非常事態宣言が出されたこともあり
閑散としていました。

ただ、都内の人の数は昨年の非常事態宣言時と
比べ多かったので、久しぶりに百貨店協会の
ホームページから百貨店の売上を確認してみました。


(出所:百貨店協会HPより筆者作成)



想像したとおり、百貨店は大苦戦、というより
存続の危機にあるようです。


上のグラフが示している百貨店の売上は
2019年9月に翌10月からの消費税増税前の
駆け込み需要により前年を上回った以外は
前年割れをし続けています。

さらに、商品別の売上高前年比一覧が
下表です。


(出所:百貨店協会HPより筆者作成)


株価同様、金余り現象が要因の
美術・宝飾・貴金属以外は総崩れ状態です。


前年比マイナス21.4%の衣料品に対し
同業のユニクロの既存店前年比は106.9%
(2020年9~12月実績 ファーストリテイリングHPより筆者確認)

同じく前年比マイナス20.7%の家具に対し
同業のニトリの既存店前年比は111.8%
(2020年3~12月実績 ニトリHPより筆者確認)



■百貨店の衰退の主たる要因の一つは
インターネット通販の成長であることは
間違いありません。


しかし、実店舗を展開するユニクロやニトリが
堅調な実績を示していることは、百貨店が採っている
経営戦略が環境にそぐわない証左であり、
経営陣が機能不全を起こしていることを
物語っています。



■話題を経営戦略から経営風土に転じます。


百貨店で商品を選び、会計カウンターでの出来事です。
カウンターの中には正社員らしき方が男女各1人。
非正規雇用らしき女性が4人いました。


正社員の女性は4人の非正規の方に指示をされていて
正社員の男性は椅子に座ってレジ操作をされていました。


びっくりしたのは、この正社員の方お2人の
非正規の方に対する態度、表情、言葉遣いでした。
とても不機嫌で、傲慢だったのです。

非正規雇用の4人は、自分を守るためか
オドオドした不安な態度の人、鉄仮面のごとく
無表情な人のいずれかで、人としてのあたたかさを
1ミリも感じられず、とても残念なオモイをしました。


■企業の生き残りのため、マーケティング戦略などの
適切な事業戦略の策定も重要ですが、戦略を実行する
オペレーション部隊の状態≒組織風土がこのような
壊滅的状態ですと、いかに優れた戦略を採っても、
生き残る可能性は期待できません。


一部上場企業で、倒産するまでと、再上場への
布石を打った経験と、現業での知見から、
このような会社の内部では、いわゆる
“ゆでガエル現象”が間違いなく起きていると
確信を持っていえます。


“ゆでガエル現象”の代表的な症状は
1,業績の低下が止まらない
2,自分(たち)の行っていることの正当化
3,責任転嫁
4,いつか元に戻るという盲信
5,役職者が本来の職位の下位の仕事をしている
6,“ゆでガエル状態”の無自覚
7,離職者の断続的な発生等など、が挙げられます。


どのような業種・業態・規模・立地などでも
成長企業は存在します。


このような会社が成長企業になるために
行うべきことは、先述の逆を行うことで


1,離職者の“真”の要因をつかみ、対処する
2,自分たちは“ゆでガエル状態”だと素直に認識する
3,役員は本来のすべき仕事をする。できなければ降りるか去る
4,もう元には戻らない(人口動態・ネットの普及など)を
  前提で考える
5,すべて自責で考える
6,現業をゼロベースで見直す
7,業績向上のための仮説設定と検証を、素早く、たくさん行う



以上、私たちにとって厳しい状況は続きそうですが
これも成長の機会と捉え、大いに挑戦~変化していきたいものです。


今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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自己を過大評価した瞬間から、思考の硬直が始まる。
野村克也(1935~2020年 プロ野球家)
 
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