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デュアル経営陣と経営理念

デュアル経営陣と経営理念
(デュアル【dual】とは2層、複合の意)


先日、顧問先で若手経営陣と
来年度から着手する生産性向上の
キックオフミーティングを
オンラインで行いました。


この会社は60代の創業世代経営陣と
30代を中核とする次世代経営陣による
2層の指揮体制を採っています。

その主な目的は事業承継を
確かなものにするためです。

事業継承を資本政策、すなわち
株式の移動と節税対策であると
勘違いしている方が少なくありませんが
それは事業継承のごく一部に過ぎません。

事業継承の成否は、継承後、最低10年経って
その会社が隆々としていること。
そのためには次世代経営陣を育て上げることが
バトンを渡す経営者の責務です。


この会社では、そのような思想で数年前から
次世代経営陣が中期経営計画の立案はじめ
経営の中核を担ってきています。


その思想と施策が奏効し
今年度の累計実績で既存事業部門は
売上高前年比97.3%、経常利益前年比181.5%。

ここ数年来取り組んできた新規事業部門の
売上高前年比107.0%、経常利益前年比215.2%。

さらに付け加えると、この会社は飲食業であり
上場基準を満たすほどの企業規模です。


同業他社が倒産、閉店、リストラを余儀なくされる
厳しい環境下での堅調な実績はこの会社の真の実力であり
称賛の成果と言えます。


この会社は、創業者で代表取締役会長の
打ち立てた経営理念をとても大切にしています。

まず、創業者が経営理念をよく語り、そして実践しています。
また、あらゆる場面で、経営理念が語られます。
実際に先日のキックオフミーティングの場でも
30分に一度は経営理念に関する会話がなされています。


よのなか全体が浮足立ち、短期的視点に偏り
表層的な事象に目を奪われ、早く効果が得られる
ものに手を出して、芳しくない結果に終わる。

そのような事例を多く見聞きする中
この会社の考え方と打ち手は大いに参考に
なるのではないでしょうか。

今日も皆さまにとって
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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事業の基礎は経営者の徳である。
経営理念は、道徳を無視してはならない。
(徳者事業之基)
洪自誠(中国明代の著作家/生没年不詳)
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(12/17  黎明の空)


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