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経営理念と企業体質

早いもので12月。
コロナに始まりコロナに終わる
大激動の今年ですが
いかがお過ごしでしょうか。


転換期の現在、想起する言葉は
<経営学の巨人>と称されたドラッカーの
「転換期にあって重要なことは
変わらざるもの、すなわち
基本と原則を確認することである」です。


原則について、<経営の神様>といわれた
松下幸之助は事業成功の三原則として
1、絶対的条件: 経営理念の確立 50%
2、必要条件 :個性を最大限発揮できる環境条件 30%
3、付帯条件 :戦略・戦術 20%
と言っています。


先週、2代目社長としてバトンを受け
30年以上経過した社長が率いる企業の
幹部研修を行いました。


目的は
「自主的に会社のビジョンを
具現化する人財を増やすこと」で
経営理念(以下、理念)の理解と実践も中核テーマです。


理念を掲げている会社で
理念の理解・実践・浸透を行っている
会社は、その度合にもよりますが極めて稀です。


筆者が知る限り、経営理念の
理解・実践・浸透を行っている会社は
例外なく確かな実績を出し続けています。


ちなみにこの幹部研修を実施している会社の
30年間の財務比較が下表です。


この30年間で、会社の利益の積み重ねである
利益剰余金は596.7%となり、25.3%だった
自己資本比率が78.8%に象徴されるように
極めて強靭な財務体質に変貌しています。


ご存知のように、損益計算書は
毎年ゼロから始まりますが
財務体質をしめす貸借対照表は、その会社の社長の
思想と長年にわたる行為の積み重なった結果です。


この会社は、時流に乗った業種ではなく
むしろ、3Kといわれる業種です。
また高学歴の人財が数多く在籍している
わけでもありません。


このように人も、お金も、決して潤沢でない環境で
現場の人を大切にすることを、言い換えれば
理念をコツコツと実践し続けてきた会社です。


この会社の人たちと話していて感じることは
誰よりも変化の必要性を感じ、変化している人
理念を実践している筆頭は、社長であるということです。


以上が<経営学の巨人>と<経営の神様>が唱えた
理念の重要性を実証した事例です。


理念の浸透に最も効果的なことは
先にも書いたとおり、社長がその体現者となって
理念に基づく言動をし続けること。


そして、理念とその他の施策や意思決定に
矛盾がないことです。

たとえば、理念で「人を大切にする」と
掲げているが、実際は「成果主義」になっていないかを
客観的に評価してみることです。
従業員アンケートもその一手となります。


さらに、朝礼の活用は、理念の浸透に有効です。
理念の浸透が十分ではない会社の朝礼は無機質で
儀礼的であり、浸透している会社の朝礼は
笑顔と温かい雰囲気に包まれています。


以上、今日も皆さまにとって
素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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困った時、迷った時こそ
「原理原則」に立ち返って判断する

野村克也(野球家/1935~2020年)
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(11/30 黎明の空)


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