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幹部の熱意と自省

先週訪問した会社の幹部会議で話した
概要を共有します。

多拠点で事業展開する会社です。
会議の参加者は社長以下、役員と部長。


出された事案の中で、とある拠点の
状態が芳しくないことについて
議論されていました。


芳しくない状態については
過去何度も情報共有されましたが
是正されずに放置されたようでした。


会議の最後にコメントを求められたので
以下のような見解をお伝えしました。


当社は創業以来順調に発展してきていますし
コロナ禍の中でも堅調な実績を上げていることは
先代から続く努力の賜物であります。

しかし、今日の内容を聴いていると
同じような状態が再発する可能性が否めません。
よって、再度ツメの議論が必要と考えます。

更に皆さんに省みてほしいことは
議論の中で、過度の忖度が働き
真剣な議論とは言い難い内容に
なっていなかったかどうかです。
と所見を述べたあと、私の20代後半の
エピソードを話しました。


当時、数店舗を統括する立場にあった私に
一部上場企業のオーナー社長が熱意ある指導を
してくださった話です。


オーナー社長が臨店した際に、私の統括して
いる店舗の軒先にクモの巣が張っていた旨を
直接お聞きしました。


私は早速店舗に出向き、自分でクモの巣を
取り除き、店長に定期的な確認と対策を伝えて
1ヶ月ほど経ったある日、本社で社長とすれ違いました。

その時、社長が「昨日、お前の店に行ったが
まだ蜘蛛の巣が張っている。何やってるんだ!」
私は「このあいだ、社長に教えていただき、直ぐに
取り除き、店長にも伝えてあります」と答えました。

すると社長は烈火のごとく怒り
『お前、「伝えてあります」と他人事のように
言うが、何十回言った?』から始まり
15分ほど直立不動で説教をしていただきました。

・指示命令だけして仕事をしたふりをするな
・部下に頼みっぱなしで仕事したつもりになるな
・「言った」と「できている」は全く別物

要は、人は指示命令だけでは動かない。
指示命令を発する人の日頃の姿勢と熱意が
肝心であることを、沸騰したお湯の如き熱さで
伝えてくださったのです。
このような逸話です。


今思えば、何千人もの社員がいる中で
真剣に熱く育ててくださった
オーナー社長に感謝です。


時代は変わり、指示命令を発する上司に
以前に比べると配慮と根気が要求されますが
根底にある当事者としての覚悟と勇気は不変です。


更に会社の命運を議論する会議体において
無意識のうちに、仲良しクラブのようなっていないか・・・
当たり障りのない議論に終止していないか・・・
幹部たる者、常に自らを省みたいものです。

今日も皆さまにとって素晴らしい一日になりますように。

日々是新 春木清隆

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われわれにとっては形式的な責任論はもはや一片の価値もない。
われわれの仕事は突けば火を噴くのだ。
われわれはその日その日に命をかけている。
吉田秀雄(1903~1963年/日本の実業家)


本日(11/4)黎明の空


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