命のつかい道
■私の関係している会社で介護事業を営む会社があります。
ご存知のとおり、介護業界は非常に厳しい経営環境にあり、その倒産件数は、毎年過去最高を更新し続けています。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200107_01.html
■9年ほど前から関わっているこの会社は、
当初6事業所でしたが、現在18事業所を展開しており、
自己資本比率は69%と盤石な経営基盤を保持しています。
■先日、この会社のイベントで、社員さんがZoomと
Instagramを使い、仲間と利用者さんに向け
30分ほどの講話をされたので、その内容を共有します。
この男性の社員さん(以下Mさんと表記します)は全盲です。
昨年、すい臓がんのステージ4と診断されました。
その後、抗がん剤や放射線治療を行い、職場復帰され、毎日仕事に来ています。
■今回の講話は、Mさんの発意です。
主旨は、今も病気と戦いながら、見えたもの、気づいた事を仲間と利用者さんに伝えることでした。
■以下、Mさんの講話から概要を記します。
・お蔭さまで、腫瘍の大きさはだんだん小さくなってきている
・病気の状態を示す数値もドンドン良くなってきている
・毎日の通勤は奥様はじめ、交通機関の職員さんや、行きずりの人たちの愛と思いやりで成り立っている
・(仲間に向けて)皆さんは介護の仕事をしているが、利用者さんに「ありがとう!」と言ってもらえることをするのは当り前
・仕事はもちろんの事。仕事以外の日常で、困っている人に声をかけ、どれだけ多くの人の役に立てるかが大切なこと
・今、家族はじめ会社、仲間、利用者さん、行きずりの人、全てに感謝している
(以上講話概要)
■Mさんは、以前より随分と痩せ、治療の副作用で毛髪は全てなくなり、座っているだけでも大変だろうと感じます。
■そんなMさんが全力で仕事に来ているのは何のため・・・。
そして、仲間に対して、ふり絞るようにメッセージを伝えているのは何のため・・・。
Mさんの話を聞いているうちに自然と涙がこぼれてきました。
■Mさんの命の使い方・・・。
そして、そのMさんを護り、そんな強くて優しい人たちを
一人でも増やそうとしているこの会社の経営者の命の使い方に
大いに力をもらった講話でした。
日々是新 春木清隆
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人間がこの世に存在するのは、金持ちになるためではなく、幸福になるためだ。
スタンダール(フランスの小説家 1783~1842)
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