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健全な体質づくり

■財務に対する私の基本姿勢は、無借金経営です。

それは、両親が商売をしていた。
そのうしろ姿を見て、金の怖さを十二分に感じた。

最初に務めた一部上場企業が、約10年間の悪戦苦闘の後、会社更生法を適用した。
そのプロセスで、金による不幸を腹いっぱい味わった。

その後、年商3億円で債務超過の会社を無借金経営にし、9年後に株式公開に導いた。

その経験から、経営者として、金の呪縛からの解放技術を身につけることが出来た。

自身が連帯保証していた借入金を完済した時の晴れやかな気持ちは今でも忘れません。

これらの経験から、無借金経営は私の岩盤信条の一つです。

■この信条は、今回のコロナ禍で、より一層強固なものになりました。
幸い私の関係する会社は、自己資本比率50%超。
流動比率200%~500%超の財務内容が過半ですのでこの状況下でも、
地に足のついた舵取りをされています。


                   (出典:平成28年中小企業白書)

■上表から、自己資本比率の大企業平均は41.7%。
中小企業のそれは39.5%であることが確認されます。
さらに、中小企業の中でも、50%を超える高い自己資本比率の
企業の割合が相当数あることも見て取れます。


■では、如何にして自己資本比率を高め、無借金経営を実現するのか。
今後も必ず起きる外的環境要因が激動の際も、動じることなく、生き延びる企業に育てていくか。
その入り口部分について述べます。


■ご存知の通り、損益計算書は1年毎にリセットされ、毎年、全てはゼロから始まりますが、
貸借対照法は創業以来、ズーッと積み重ねた、いわば会社の体質を表現した資料です。

体質ですから、一朝一夕には変わりません。

例えば、現在40歳の男性で、身長170cm、体重80kgの肥満(メタボ)型の人は20歳の頃、
同じ身長で体重は60kgの筋肉質の体型だった。この人の場合、20年間で筋肉質から
メタボ体型になった原因は生活習慣。そうであれば、この40歳の男性が65㎏の筋肉質になることは、
そう難しいことではありません。ご本人の意思次第です。


■会社経営も同じです。
まずは経営者が発意すること。そして理想の状態を描くこと。
この理想を何としてでも現実化する、と肚を決めた上で、

ROA(総資本利益率)の公式、ROA(%)=当期税引前利益÷総資産×100を基に
あの手この手を勘案し、進めていきます。

ROA(総資本利益率)に対し、ROE(自己資本利益率)を重視する考え方がありますが、
私はROE信仰に全反対の立場です。詳細は省きますが、ROEは株主重視の考え方、
「今さえよければいい」の考え方だからです。

ROA(総資本利益率)を高めることは財務体質の強化につながります。
そのためには、
1)総資産回転率UP
2)粗利益率UP
3)経常利益率UP
の順に、または同時に着手します。


それら打ち手については次回以降にお伝えします。

コロナ禍を機会に、今一度、理想の財務体質を描くことを強くおすすめします。

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夢なき者に理想なし、
理想なき者に計画なし、
計画なき者に実行なし、
実行なき者に成功なし。
故に、夢なき者に成功なし。

吉田 松陰
(1830~1859 江戸時代末期の志士、長州藩士、思想家)

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日々是新 春木清隆


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