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生き残る企業の事業領域

経営者の3つの大きな仕事の一つに「方針を示す」があります。
方針の中でも企業の行方を選択する機会はそう多くありません。
言うまでもありませんが企業の行方は
1)継続(継承)
2)売却(上場)
3)終焉(倒産・廃業)です。

この文を読まれている方々は、事業を百年以上継続させる
経営のバトンを担っている方々、もしくはその関係者です。

先週の本文の中で
環境変化に<根本的価値>を見言い出し、生き延びている企業に
ついて書かせていただきました。

https://www.hibikorearata.co.jp/blog/everyday/entry-188.html

■今回は、環境変化に対応し、時代を超えて生き延びている企業を
事業領域の観点から情報共有します。

下表は、生き延びている企業が
どのような事業領域で仕事をしているのかを表したものです。

縦軸は環境変化のスピード、そして横軸が生き延びている企業が
提供している商品やサービスの根本的価値の変化の度合いです。

■こうして観てみると、例えば第3領域では、スマホや携帯がありますが、
これらの事業領域は変化のスピードが非常に速い。
しかし、テレビを扱うデジタル家電やアパレルなどでは、商品そのものの根本的価値は、テレビはテレビ。洋服は洋服で変わりません。

■一方、変化のスピードも速く、根本的価値も非常に大きいものは第4領域に位置づけています。ここは現在、一般的市場では見ることの出来ないカメラフイルムやポケベルが並んでいます。

この第4領域にある商品は、環境変化でほぼ消滅してしまった商品群です。

第1領域は、根本的価値の変化の小さく、変化のスピードが遅い領域。
第2領域は、根本的価値の変化の小さく、変化のスピードが速い領域です。

■百年以上生き延びている企業が多く存在する領域は、第1領域です。
親しい方々にはいつも申し上げていますが、いつの時代も変わらず大切なことは、本業の磨き上げです。弛まぬ進化(深化)と革新です。


■現在、自社が第1領域にあり、あえて違う領域を探すのであれば、生き延びる方向は第2領域です。何故なら、変化のスピードが比較的に速くないので、自社の根本的価値を活かす開発プロセスに時間資源をかけられるからです。

■事業領域を劇的にシフトし、生き延びた企業の事例として、かつて、首都圏に最も近い炭鉱として繁栄していた常磐炭田があります。

エネルギー革命によってその存在意義を失くす中、炭鉱労働者やその家族の生活を守るため、観光業(旧:常磐ハワイアンセンター、現:スパリゾートハワイアンズ)に生き残りの道を選び、幾多の試練を乗り越え現在に至っています。

■停滞しているモノやサービスの需要はいずれ急速に回復すると予想されます。
今こそ、力を蓄えるいい機会としたいものです。

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「何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」
(元三洋電機副社長、後藤清一)

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日々是新 春木清隆


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